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ユニフォームの「ニックネーム」を、変える選手、変えない選手、変えざるを得ない選手!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
田中将大/ユニフォームの背に「MASA」と記してある Aug 27, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 もうすぐ、昨年に続いて2度目の「プレーヤーズ・ウィークエンド」がやってくる。8月24~26日は、名前ではなくニックネームを記したユニフォームを着てプレーする。

 MLB.comが掲載した今年のリストを見る限り、どちらかと言うと、前年と同じニックネームの選手が多いようだが、違う選手も少なくない。日本人メジャーリーガーの場合、ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)と前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)は「YU-SAN」と「MAEKEN」のまま。田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)は「MASA」から「TANAKA TIME」に変える。ヤンキースでは、ニックネームが発表になった29人のうち、田中を含む11人が前年とは違う。15人は前年と同じ。残る3人は、昨年のこの時期、マイナーリーグにいた。

筆者作成
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 ニックネームを変える選手のなかには、変えざるを得なかったと思われる選手もいる。カイル・シーガー(シアトル・マリナーズ)がそうだ。

 昨年、シーガーのユニフォームには「COREY'S BROTHER」と記してあった。コリー・シーガー(ドジャース)の兄という意味だ。コリーは2016年に満票で新人王を受賞し、翌年も「2年目のジンクス」をまったく感じさせないプレーを続けていた。加えて、在籍するチームの違いもあり、兄の影は少し薄くなっていた。そういう意味では「自虐ネタ」と言えるが、兄もれっきとしたレギュラーであり、そこに哀しさはなかった。わかりやすく、笑えるニックネームだった。

 だが、コリーは5月にトミー・ジョン手術を受けた(8月に腰も手術)。兄弟が揃ってプレーしていなければ、「COREY'S BROTHER」の面白さは消え失せる。そのためだろう、今年、カイルはユニフォームの背中にニックネームを用いず、いつもと同じように「SEAGER」と綴る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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