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自室があるか、自分だけのテレビがあるか。子供達のプライベートの実情をさぐる

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 自室での勉強。誰にも邪魔されない個室での方がよいとの意見も多いだろう。(写真:アフロ)

高校生は約3/4が個室持ち

子供が成長する過程で保護者が判断に悩む事柄の一つに、自室(個室)を子供に与えるか否かの問題がある。実情ではどれほどの子供が自室を与えられているのか、国立青少年教育振興機構が2018年8月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」(※)の報告書の内容から確認する。

次に示すのは子供に対し自分の部屋を持っているか否かを尋ねた結果。兄弟との共同利用では無く、回答者一人だけの部屋との意味である。また施錠が可能か否かは尋ねていない。

↑ 自分だけの部屋(自分が一人で使っている部屋)があるか(2016年度)
↑ 自分だけの部屋(自分が一人で使っている部屋)があるか(2016年度)

小学1年生では2割強、これが6年生になると45.5%、中学生ではおおよそ2/3、高校生では約3/4にまで自室率が増加する。世帯全体としての教育方針や住宅の間取りの問題、世帯構成などの理由から自室化できない場合もあるものの、多くは子供の成長とともに子供自身の要望が高まり、許可を与えるようになるものと思われる。また中学校以上では夜間に勉強をする機会が多くなるため、静かな環境が必要との理由で個室を許可されることもあるだろう。

経年変化では大きな変化は無い。

↑ 自分だけの部屋(自分が一人で使っている部屋)があるか(「不明」を除いて再計算)
↑ 自分だけの部屋(自分が一人で使っている部屋)があるか(「不明」を除いて再計算)

いくぶん増加しているようにも見えるが、2014年度以降は前回調査から減っていることもあわせ、正直誤差の範囲でしかない動きとの解釈の方が妥当。「前世紀末から約半数は自室を与えている。今も変わらない」ということだろう。

子供のテレビ離れ的実情

自室同様、子供に与えるべきか否かでよく話題に上るのが、一人用のテレビ。詳しい説明は行われていないが、リビングなどで家族共用とは別に子供専用のテレビが置かれている状況は考えにくいので、事実上設問の内容は「子供の自室に子供専用のテレビがあるか否か」と読んでよいだろう。また、携帯電話などのワンセグは、視聴環境があったとしても該当しないと解釈しても問題ない。

↑ 自分だけのテレビ(自分だけが使っているテレビ)を持っているか(2016年度)
↑ 自分だけのテレビ(自分だけが使っているテレビ)を持っているか(2016年度)

学年が上になるに連れ、保有率も増えていく。自室保有率と似たような動きを示しており、自室が与えられている人ほどテレビを持たされる可能性も高いことが分かる。また年が上がるに従い、遅い時間の番組を見たいと思う、しかし家族はすでに寝ているので居間などでは視聴できない、だから自分のテレビが欲しいとの事例もあるのだろう。

これを経年変化で見ると、明らかに減少している。

↑ 自分だけのテレビ(自分だけが使っているテレビ)を持っているか(「不明」を除いて再計算)
↑ 自分だけのテレビ(自分だけが使っているテレビ)を持っているか(「不明」を除いて再計算)

18年の間に9.2%ポイントの減少、大体半分に低下している。テレビそのものの観賞離れか、それともワンセグ、さらにはパソコンやスマートフォンなどへの分散による結果か、判断は今件データだけでは難しい。

詳細解説の機会は別途設けるが、今調査の限りでもインターネットの利用時間の伸び、携帯電話の所有率の増加などが確認できる。その結果を見るに、子供達の娯楽は少しずつテレビからインターネットにシフトしていそうである。

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※青少年の体験活動等に関する実態調査

直近年度分は2017年2月から3月にかけて各学校(小学校は1年生から6年生まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校)への調査票発送・返信による回収方式で行われたもので、有効回答数は学校数が879校、子供の回収数が18316件、保護者が15769件。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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