スポーツをする人約2/3、ウォーキングが一番人気(2024年公開版)
日々の生活の中でジョギングやマラソン、水泳、ゴルフなどのように意図的に体を動かしで心身の鍛錬を行うことをスポーツと呼んでいる。人々は普段からどのようなスポーツにいそしんでいるのだろうか。総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」(※)の結果から、その実情を確認していく。
次に示すのは回答時において、過去1年間に一度でも仕事や学校の授業以外(クラブ活動、部活動は含む。見物の類は含まない)で、個人の自由時間を消費して行うスポーツをしたか否かを尋ねた結果。全体では66.5%の人が経験ありと答えていた。10代前半は86.3%ともっとも高い値を示し、10代後半がそれに続く76.8%の値を示している。
若年層が高い値を示し、中高齢層になるにつれて行動者率は減る傾向がある。特に10代は部活動やクラブ活動でスポーツをしている人が、行動者率を押し上げているのだろう。
経年変化の動きを見ると、60代前半までは行動者率が減る、つまりスポーツをする人が減り、60代後半以降は増える傾向にあった。ところが2016年ではすべての年齢階層で前回調査から行動者率が増える、つまりスポーツをする人が増える動きを示している(これは回答用紙の様式変更が要因)。そして2021年では75歳以上をのぞくすべての年齢階層で前回調査から行動者率が減る、つまりスポーツをする人が減る動きを示している。これは新型コロナウイルス流行により、外出忌避や他人との接触機会が極力抑えられたのが原因だと思われる。
この動きを確認するため、前回2016年調査の結果と今回2021年調査の結果との差異を計算したのが次のグラフ。
75歳以上をのぞく全部の年齢階層で減少。減少度合いに法則性の類のものはない。新型コロナウイルス流行によるものだが、なぜ75歳以上のみが増加しているのか不思議だが、具体的種類を見ると「ウォーキング・軽い体操」「グラウンド・ゴルフ」で大きな増加が確認できるため、高齢者は新型コロナウイルスの流行による外出忌避の中でも、一人でできるウォーキングや、高齢者のみで遊べるグラウンド・ゴルフに大いに興じていたのかもしれない。
さてこれらスポーツの中で、具体的にはどのような競技が行われているのか。もっとも多い回答項目は「ウォーキング、軽い運動」だった。複数回答で44.3%の人が過去1年間に、自分の自由時間を割いてウォーキングをしたことがあると答えている。
機材を特に必要とせず資格も要らず、時間とスペースがあればいつでもどこでも行えるのが「ウォーキング、軽い運動」(天候悪化などでも難しくなるが)。自分の都合ですぐに止めることも可能なのもメリット。もう少し本格的だが、スタイル的には等しい「ジョギング・マラソン」と比べても多くの人に受け入れられているのが分かる。
次に上位の位置にあるのは「器具使用のトレーニング」「ジョギング・マラソン」。「器具使用のトレーニング」はフィットネスクラブなどの流行も影響しているのだろうか。
大きく値を落としているのは「登山・ハイキング」「水泳」「ボウリング」「スキー・スノーボード」など。新型コロナウイルスの流行による外出忌避の中で敬遠されているもの、さらには運動する場所そのものが休業している場合もあり、値が下がらざるを得なくなったのだろう。
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※令和3年社会生活基本調査
国勢調査の調査区のうち、総務大臣の指定する約7600調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約9万1000世帯に居住する10歳以上の世帯員約19万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2021年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2021年10月16日から10月24日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と、調査員への提出あるいはインターネットでの回答による回収方式。
調査は5年おきに実施されており、過去の調査もほぼ同様の様式で行われている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。