au PAYで相次ぐ「ポイント改悪」 クーポン強化で乗り切れるか
10月18日、KDDIはau PAYのクーポン機能を強化することを発表しました。ポイント還元率の「改悪」や決済手数料の「有料化」など悪いニュースが続く中、乗り切ることはできるのでしょうか。
au PAYがクーポン機能を強化
au PAYのアプリでは、支払いの際に利用できる割引クーポンが配られています。このクーポンは、大手の加盟店とau PAYの営業担当者が協議の上で作ってきたといいます。
これに対して、今回発表した加盟店向け集客支援サービス「au PAY グロースパック」では、10月19日から加盟店が独自の判断でクーポンを発行できるようになります。
具体的には、加盟店向けアプリの操作でクーポンを作れるようになります。割引率または割引額、利用期間などを指定して発行すると、au PAYのアプリに即時反映される仕組みです。
利用シーンとしては、天候の悪化や大型のキャンセルなど、急に集客が必要になった場合を想定。加盟店の判断ですぐに配信できることにこだわったといいます。
au PAYのアプリ上には「人気のブランド」や「近くのお店」といった枠が用意され、いま使えるクーポンが表示されます。
クーポンの表示順は、人気のブランドについてはKDDIが決めており全ユーザーで固定。近くのお店については、位置情報の利用に同意している場合、近い順に並ぶとのことです。
加盟店が支払う月額の利用料金は、au PAYを契約している法人ごとに税抜500円となっています。数百〜数千の店舗を展開する全国チェーンでも1法人であれば500円で済むという破格の設定です。
au PAYは競合として「1店舗ごとに1980円」の事業者を挙げていることから、「PayPay」の加盟店向け有料サービスを意識した設定と考えられます。
加盟店が支払うクーポン料金は1件あたり税抜20円で、実際に使われた枚数に応じた成果報酬となっています。競合とみられるPayPayは決済取引額の「3%」としていますが、au PAYでは分かりやすさを重視したとのことです。
利用者向けの改善も入っています。これまでのクーポンは手動で選択してから使う必要がありましたが、今後は「マイクーポン」に登録しておけば支払いの際に自動的に適用されるとのことです。
追記:
10月19日、au PAYアプリ上で新しいクーポン機能の提供が始まりました。
相次ぐ「改悪」乗り切れるか
最近、au PAYではポイント還元率の「改悪」が話題になっています。au PAY残高への「au PAYカード」からのチャージでは、12月1日から1%のポイント還元がなくなります。
また、11月1日からは「au PAYプリペイドカード」からモバイルPASMOやnanaco、WAONなどへのチャージがポイント還元の対象外となります。
加盟店向けとしては、これまで主に中小店舗を対象に決済手数料を無料とするキャンペーンは9月末で終わり、10月から手数料が税抜2.6%となる「有料化」が始まりました。
これに伴い、au PAYをやめる加盟店は増えているのか気になるところですが、現時点では「中小規模の加盟店さまの解約件数は非常に少ない状況」(KDDI広報部)としています。
競合の楽天ペイは12月末まで無料期間を延長するなど、事業者間での駆け引きは続いています。その中でau PAYはクーポンで盛り上がりを維持できるのか、注目といえるでしょう。