STAP特許出願と佐野エンブレム商標登録出願の現状について
#連休前の小ネタ記事です。
小保方氏を発明者のひとりとするSTAP特許出願(特願2015-509109)は、理研が権利を放棄し、ブリガムアンドウィメンズ病院(ハーバード大)を唯一の権利者として審査請求待ちの状態になっていたことについては既に書きました。
日本の特許法では、(国際)出願日から3年以内に審査請求が行なわれないと、出願は強制的に取下げとなります(救済規定はありません)。その期日が(2016年)4月24日だったのですが、今日(4月28日)付でJ-PlatPatで審査書類情報を検索しても審査請求が行なわれた形跡がないため、この出願は取下げになった可能性が高いです。審査書類がJ-PlatPatに反映されるには4日程度かかることもあるようです(余談ですがコンピューターで提出した書類がコンピューターのデータベースに反映されるのに4日かかるというのはどういう業務プロセスなんでしょうかね?)。
ただし、審査請求を紙の書類で提出したとするとJ-PlatPatへの反映はスキャンの処理等がからむため最大1ヶ月程度かかります。審査請求は第三者でも行なえるので、インターネット出願の環境を持っていない個人が自腹で審査請求料金(約37万円です)を負担して期日ぎりぎりに紙で請求していた可能性がゼロではありません。最終確定は5月末頃を待つしかありません。なお、4月24日までに請求書を郵送(または特許庁に持参)すればよいので、その後のデータベースへの反映時間は期日には関係ありません。
追記:なんと4月22日付でハーバード大(ブリガムアンドウィメンズ病院)が出願審査請求していたことが判明しました(最新記事をご参照ください)。
話は変わって、昨年の7月に出願されていた佐野研二郎氏デザインの五輪エンブレムの商標登録出願(商願2015-070541)(および、そのモノクロ版(商願2015-070750)と五輪マーク付版(商願2015-070542))についてです。もう誰も気にしていないと思いますが、出願としては取下げられておらず、まだ審査係属中です。同じく全商品・全役務を指定した招致エンブレムが7ヶ月程度で査定が出ていますので、そろそろ査定が出てもおかしくないタイミングです(なお、これもJ-PlatPatへの反映に数週間かかるので既に査定が出ている可能性はあります)。
ほぼ確実に登録査定となるでしょうが、登録料(1件につき約130万円(全類指定なので高いです)+代理人手数料です)は支払われるのでしょうか?オリンピック全体の予算から見れば微々たるものなので、たぶん登録料は納付されて商標登録されることになるのでしょう。ネタとしての便乗商品を排除できることを考えるとまったく意味がないわけではありません。