拡大する中国の半導体需要 ファーウェイが3位に浮上、中国4社がトップ10入り
昨年(2018年)1年間における半導体購入企業のランキングは、韓国サムスン電子が1位で、これに米アップルが次いだ。
両社が、半導体の購入に最も多くの金額を費やす電子機器メーカーであることは、2011年から変わりがない。しかし、昨年は、この2社の金額の伸びが減速した。その一方で、中国メーカーの金額が増えている。
こうしたレポートを米国の市場調査会社ガートナーがまとめた。
上位10社の半導体購入金額、世界全体の40.2%に
昨年におけるサムスンとアップルの金額の世界市場全体に占める比率は17.9%で、2017年から1.6ポイント縮小した。
ところが、この2社を含む上位10社の合計金額の比率は、一昨年の39.4%から、40.2%へと拡大した。
その大きな要因は、中国のスマートフォンメーカーにあると、ガートナーは指摘している。
例えばファーウェイ(華為技術)の購入金額は、前年から45.2%増加した。同社は一昨年、このランキングで5位だったが、昨年は米デルと中国レノボ・グループ(聯想集団)を上回り、3位となった。
一昨年にランキングの上位10社に入っていた中国メーカーは、3社のみだった。
(1)ファーウェイ、(2)レノボ、(3)中国オッポ(広東欧珀移動通信)と中国ビーボ(維沃移動通信)を傘下に持つ中国BBKエレクトロニクス(広東歩歩高電子工業)である。
しかし昨年は、これにシャオミ(小米科技)が加わり、中国メーカー4社がトップ10に入った。シャオミの金額は前年から62.8%増(27億ドル増、約3000億円増)と、大幅に増えている。
このほか、米国のキングストンテクノロジーも同48.7%増と、金額を大きく増やし、一昨年の13位から8位へと順位を上げた。こうした企業の支出額の変化に伴い、韓国LGエレクトロニクスとソニーが、トップ10から外れた。
この状況について、ガートナーは、「パソコン市場とスマートフォン市場は、ともに上位メーカーへの集約が進んでおり、この半導体購入企業ランキングにも、大きな変化をもたらしている」と分析している。
パソコン市場、上位メーカーへの集約進む
例えば、昨年のパソコンメーカー別出荷台数ランキングは、レノボ、米HP、デル、アップル、台湾エイサー(宏碁)、台湾エイスース(華碩電脳)の順。
このうち上位3社のシェアは、いずれも前年から拡大したが、4位〜6位の3社と、7位以降の「その他」は縮小した。昨年10〜12月におけるトップ3の合計シェアは63%となり、1年前の59%から拡大した。
- (参考・関連記事)「どうなる、パソコン市場は7年連続の前年割れ(小久保重信) -Yahoo!ニュース個人」
スマホ、世界トップ6の合計シェアは75%
スマートフォン市場にも同様の傾向がある。昨年のメーカー別世界出荷台数ランキングは、サムスン、アップル、ファーウェイ、シャオミ、オッポの順。
これらトップ5の10〜12月における合計シェアは69%で、1年前の63%から拡大。これに、6位のビーボも含めると、その合計シェアは実に、75%となる。
- (このコラムは「JBpress」2019年2月8日号に掲載された記事をもとに、その後の最新情報を加えて編集したものです)