子どもが習い事をやめたいと言ったらどうすればいい?~元保育士パパが考える【子どもの習い事】
スイミングやピアノ、サッカーなど、子どもに習い事をさせている家庭はたくさんあります。子どもが習い事を始めるきっかけや始める年齢は、人それぞれです。「子ども自身が興味をもってやりたいと言った」「親が若い頃やっていたので、子どもにも習わせたいと思ってすすめた」など、さまざまな理由があります。
子どもが習い事を楽しみ、張り切って通っていればよいですが、途中で「やめたい」と言ったときに、“やめさせたほうがよいのか?”“頑張って続けさせたほうがよいのか?”と選択に悩んだ経験がある人は多くいるでしょう。
今回の記事では、子どもが習い事をやめたいと言ったときの考え方や対処法を解説します。今まさに子どもが習い事をやめたがっていて悩んでいる人はもちろん、今は楽しく通っているという人や今後習い事をさせたいと思っている人にも参考にしていただけたらと思います。
子どもの習い事は続けさせたほうがよい?
習い事は義務ではないので、どうしても続けなければならないものではありません。やめるのも続けるのも自由です。基本的には子どもがやめたがったら無理して続けさせず、途中でやめても問題はありません。やめてからも、もう1度やりたいと思えば再度習うこともできます。
しかし、やめたいと思う理由は子ども1人ひとり違います。また、それぞれの親によって思いや考え方も違うでしょう。子どもの年齢や習った日数、年数も異なります。
私の子どもは、年少児の頃からスイミングに通い始めました。スイミングは全身運動で、体力の向上や心肺機能の強化など健康面でのよい効果がたくさんあります。また、スポーツを通して友達を作ったり礼儀やルールを学んだりしてほしいとの親の願いがありました。そして、幼稚園の友だちも通っていたので本人もやりたがって入会し、最初の数カ月は楽しく通っていました。しかし、級が上がるにつれてうまくできないこともあったのか「プールやめたい」と言い出したのです。ちょうど、そのタイミングで妻が育児講演会に行く機会があったので、先生に「年少の子どもがスイミングをやめたがっていますが、どうしたらよいでしょう?」と質問しました。先生の答えは、「習い事は本人が嫌がっているのに無理にやらせる必要はないから、すぐにやめさせなさい」というものだったそうです。
帰宅した妻から話を聞いた私は、「なるほど、無理にやらせるものではないよな」と納得する一方、「“やめたい”と言ったからとすぐにやめさせたら、これから何をやっても嫌になればすぐに投げ出してしまう子になるのではないか?」と心配する気持ちもありました。嫌なことを乗り越えてほしいという願いもあり、もう少し様子を見て、それでもダメそうならやめさせようという結論を出したのです。その結果、しばらくするとまた張り切って通い始め、小学6年生でジュニアオリンピックに出場させていただけるほどになりました。その後は中学2年まで続けやめてしまいましたが、年少児のときにやめなくてよかったと思っています。
うちの子どもの場合は続けてよかったですが、もちろんその子によって事情は異なるので、一概に続けさせたほうがよいとは言えません。
次に、子どもが習い事をやめたいと言ったときの対処法を5つ紹介します。
子どもが習い事をやめたいと言ったときの対処法① やめたい理由を聞く
まずは、子どもにどうしてやめたいのか理由を聞きましょう。「難しくてうまくできないことを悩んでいる」「指導者に叱られてショックだった」「友だちとトラブルになった」「習い事が忙しくて遊ぶ時間が少ない」「勉強との両立が難しい」「飽きてしまった」など、さまざまな理由があります。その日はやめたいと思っても次の日は気が変わったり、親と話すと気持ちが変わってもう少し頑張ろうと思ったりすることもあります。まずは、子どもの話にしっかりと耳を傾けて、気持ちを受けとめてあげてください。
子どもが習い事をやめたいと言ったときの対処法② 夫婦で話し合う
子どもが習い事をやめたいとき、お父さんは「続けさせたい」と思い、お母さんは「嫌なら無理して続けさせることはない」と思うなど、お父さんとお母さんとで考え方が違うこともあります。お父さんとお母さんの言うことが違えば、子どもはますます戸惑ってしまうでしょう。まずは、今後どうしていくべきか夫婦で共通の思いをもつようにしっかりと話し合いをしてください。話し合うときは、「自分がやってきたことや好きなことだからやめさせたくない」などの親の思いよりも、子どもにとって最善の選択となることを優先して話し合うとよいでしょう。
子どもが習い事をやめたいと言ったときの対処法③ しばらく様子を見る
前述したとおり、子どもが年少児のときに私達夫婦がおこなったやり方です。やめたいと言ってすぐにやめさせるのではなく、しばらく時間を置いてみるのもよいでしょう。私達は、子どもに「どうしても辞めたければいつでもやめられるから、もう少し様子を見てみよう」と話し、行けるときは行ったりどうしても行けないときは休ませたりしながらしばらく様子を見ました。しばらく様子を見ても子どもの気持ちが変わらず、決心が固いようなら無理をせずやめるのもよ1つの方法です。
子どもが習い事をやめたいと言ったときの対処法④ 休会する
教室やスクールに休会制度があるなら、すぐにやめずに休会という形をとって様子を見る方法もあります。休会費などの料金が発生することも多いので、経済的な事情も含めて検討してください。
子どもが習い事をやめたいと言ったときの対処法⑤ やめた後のことを考える
子どもの年齢にもよりますが、ある程度大きい年齢の子どもなら習い事をやめた後に子どもがどうしたいのか確認しておくのもよいでしょう。「勉強に力を入れたい」「別にやりたいことがある」など次にやりたいことが明確であればよいですが、「やめてダラダラとゲームばかりしてしまう」「無気力になってしまう」という状態になることもあります。もちろん、すぐにやりたいことが見つからない場合もあり、ダラダラと過ごしながらやりたいことを見つける子もいるでしょう。「習い事をやめたら遊んでばかりいる」などと親が小言を言い、子どもがますますやる気をなくしてしまうことのないよう、様子を見守るようにしましょう。ただ黙って見守るのではなく、子どもの様子を見ながら前向きな言葉もかけてください。
まとめ
子どもが習い事をやめたいと言ったときの考え方や対処法を解説しました。子どもの習い事に過度な期待を抱く親もいますが、何よりも子ども自身の気持ちや意欲を尊重するようにしてください。
1つのことを長く続けるのもよいことですが、いろいろなことを経験するのもよいことです。1つの習い事が長く続かなかったからと、「この子は根気がないのか」などと心配する必要はありません。
せっかくの習い事が楽しく、子どもの心身の成長にプラスになるようなサポートを心がけましょう。