被災地で生まれる諸葛亮孔明、60%が就業・起業する右腕派遣プログラム
東日本大震災の各地で被災地復興のために活躍するリーダー。その「右腕」となる人材が求められています。日本を代表するソーシャル・アントレプレナーを生み出すNPO法人ETIC.(エティック)が、被災地復興のためのマッチングフェアの開催を予定しています。
興味深いポイントは、これまで182名の「右腕」人材が派遣され、終了者の約60%が被災地で、就業・起業しています。就業はともかく、なかなか起業家が生まれてこない(起業するひとが少ない)と言われる日本において、何か「右腕」となったひとびとに勇気をもたらし、背中を押すものが現地にあるのだと思います。※現地で起業された方は16%となっています。
これまで右腕人材として被災地に向かったひとたちを見ると、男性が66%、女性が34%となっています。採用担当者話で「最近は女性がいいよね」といった言葉をよく聞きますが、男性も負けてはいないようです。また、長期に右腕として被災地に入るので、社会人が飛び込むのかと思っていたのですが、学生も23%と多く派遣されています。
年齢構成比を見ても、20代、30代が全体の86%を越えています。何が彼ら・彼女らを駆り立てたのかはわかりませんが、実際に被災地で活動していたり、現地リーダーの話をマッチングフェアで聴き、「自分の力を投資したい」と思わせる出会いがあったのかもしれません。参加の決め手となったのも「プロジェクトの取り組みや内容の魅力」が最も大きい理由となっています。
プロジェクトの取り組みや内容は、ネットなどの情報でも得られますが、やはり、「右腕」となるリーダーの情熱やビジョン、戦略に触発されての行動という側面が大きいのではないでしょうか。
被災地で起業家輩出を目指す事業も多々ありますが、右も左もわからないところから何かを生み出すのではなく、このひとだと思ったリーダーの傍らで、まさに「諸葛亮孔明」として活躍するなかで、復興事業にドライブをかけ、さまざまな経験を通じて自らも起業する人材が生まれているのだと思います。
そのきっかけとなるのが「みちのく仕事マッチングフェア」のようで、2014年3月2日(日)にも開催が予定されています。興味がありご担当者に聴いてみたところ、必ずしもいますぐ被災地において右腕として派遣ということでなくてよいそうです。現地のリーダーがそれぞれのビジョンや事業を語り、それを聴くことだけでも、リーダーたちにとっては大きな希望になるでしょうし、また、なかなか東北に行く機会がなくても、復興の現在地を知りえる貴重な機会になるのではと思います。
(参考)
ETIC. みちのく仕事マッチングフェア2014 spring
●日時:2014年3月2日(日)13:00~18:00
●場所:日本財団ビル(東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル)
●定員:100名(事前予約制、先着順)
●参加費:無料
●対象:
-東北の地域での長期の活動に関心を持つ、主に20~40代の方
※ビジネス経験のある人を特に歓迎します
-本プロジェクトに関心をお持ち頂ける企業・団体・報道関係者
●主催:NPO法人ETIC.
●協力:WORK FOR 東北 (復興人材プラットフォーム)
●後援:宮城県、岩手県、福島県、東京都、復興庁