「猥褻なジェスチャー」で罰金を科されるMVP選手
NBA選手としてのサラリーだけで、2億6500万ドル以上を稼ぎ出し、2029年までにさらに1億9300万ドルを得る契約を結んだ男にとって、7万5000ドルの罰金など、痛くも痒くもないか。
クリスマス、AWAYのボストンに乗り込んだフィラデルフィア・セブンティシクサーズのエース、ジョエル・エンビードはゲーム中に「猥褻なジェスチャー」をした。これに対するペナルティが下され、その金額が7万5000ドルに決まったのだ。
エンビードは12月25日の水曜日、2Qの最後に3ポイントシュートを決めた。直後、ボストンの観衆を挑発するように右腕を90度に折り曲げ、肘に左手の甲を置き、右の中指と人差し部指を突き立てる行動に出た。
また前半にレイアップを決めた際にも、プロレスラーが流行らせた股チョップを見せていた。オールスターに7回出場している30歳は、この日31分間プレーし、27得点、9リバウンド。接戦を118-114で制した、しかも相手は昨シーズンの覇者だった。
昨年のFIBAワールドカップで4位に終わった不甲斐なさに、”KING”レブロン・ジェームズが代表復帰をアナウンス。KINGはアメリカ代表チームを復活させるべく、パリ五輪代表チームに呼びたい面子、一人一人を自身で口説いた。
フィラデルフィア・セブンティシクサーズのセンターで、2023年のリーグMVPであるジョエル・エンビードはカメルーン出身。フランス代表として、五輪出場する気配だった。が、2022年にアメリカ国籍も取得したエンビードは、KINGの誘いを受け、USAのユニフォームを身に纏って金メダルを獲得。
アメリカ社会から評価されていたが、エンビードは完全なるヒールとなった。このセルティックス戦は彼にとって、今季9試合目の出場であった。目下、東地区11位に沈むシクサーズ。大黒柱はフラストレーションが溜めていたのか。セルティックス戦までの11試合で、シクサーズは8つの白星を挙げ、やや復調の兆しを見せたかと感じていたが‥‥。
エンビードは今年の1月22日にホームゲームで70得点し、フランチャイズ記録を更新している。しかし、その人間性に懐疑的な視線を向けられる要素を表してしまった。
残念だ。