最近、元町商店街を歩いていると古着屋さんが増えてきたなという印象があります。三宮や元町高架下にも昔はたくさんの古着屋さんが軒を連ねていたりしたのですが、その中でも特に印象的なお店がありました。

「突撃洋服店」という名の古着屋さん。ネーミングも独特ですが、当時は高砂ビル(現在は100BAN)にあったその店内に入ると、まるでタイムスリップをしたかのような不思議な空気が流れていました。

高い天井に響く、レコードの古く懐かしい音と存在感ある洋服たち。もう今はそこにないのが残念なのですが、そんな「突撃洋服店」が三宮のとある場所でポップアップストアを開いているという噂を耳にしたので、行ってみることに。

旧居留地にある「ニューラフレア」という、一階がカフェの建物の三階。そこに広がっていたのは目にも鮮やかな色に溢れた世界、洋服たちのいろんな模様が目に飛び込んできます。

出迎えてくれたのはオーナーの安田さん。洋服のお仕事をして37年になるベテランのバイヤーさんでもあります。興味津々で色んな質問をしてみると、こんな答えが。

「ここでは、ジェンダーフリーを意識して洋服を展示しています。性別、年齢、役割などで決めないで自由にみてもらえたら。着る服の可能性を広げることは、人の可能性を広げることになると思っています」

「ステレオタイプではなく、自分としてどうなんだ？ということですよね。これは全てにおいても同じ。周りの為の服装なのでなく自分軸で選ぶ、ジャッジすることが大事なのでは」

安田さんのファッションに対する想い。実は本にして出版したのだそうで、ここに洋服と一緒に並べられていました。洋服(という存在)は深いんです、と安田さん。人生と密接に関わっているという洋服。

洋服販売を始めた10代の頃は、特にそんな風に思っていた訳ではなかったと言います。「海外の古いデパートのようなイメージの店内に、洋風のシャンデリアと共に純和風の幕を飾ってみたりと、いい意味での違和感を作り出したかった」と、当時を振り返ります。

心に残る、ちょっと尖った服。安田さんが服を選ぶ基準はそこです。アメリカ、ロス郊外での仕入れで古着を選ぶ時にも、100枚ある中で1枚あるぐらいなのだとか。

このポップアップストアでは、昔お店に来ていたという30〜40代のお客さんも来るそうなのですが、「ちまたの服がつまらない、こういうのが欲しかった」という声が聞かれるそう。

そういうお客さんが、20年ほど古着を着ていなくてここで買うのは「懐かしさ」ではなく、「今の自分にとって必要だ」と思ってくれるからだと、安田さんは言います。

ニューラフレアでのポップアップストアは、1/20(金)〜1/25(水)の13時〜20時、最終日は18時までです。一期一会の出会いを、どうぞお見逃しなく。

突撃洋服店 (ポップアップのみ)