ツイッターがX.comへ!『X』に取り憑かれた男、イーロン・マスクの意思決定
KNNポール神田です。
ついにTwitterのブランドが『X』へと変化するようだ。
2023年7月23日(日曜)午後1時04分
そして、仰々しい、サウンドの『X』の文字が発表されて固定されたツイートに残る…。
Twitter社のオーナーのイーロン・マスク氏のTweetを追いかけているるだけでも、この御仁の頭の中の『天才的でサイコ的』ともいえる行動と言動がわかる。
現在もリアルタイムで進行中なのが、SpaceXのスターリンク衛星の打ち上げなどとリツイートで同時進行しながら、TwitterのX.comブランド化を発表するという常人ではありえないツイートだ。 ※通常の広報的には、タイミングをずらすはずだ。
2023年7月24日月曜日 午前9:44
■イーロン・マスクの知るたった383人しかいないスモールワールド
イーロン・マスクのフォロワーしている人数は世界で1.4億人。しかし、イーロン自身が、フォローしている世界はたったの383人という、世界でもいびつなフォローとフォロワーの関係の世界で生きている住人である。かつてのドナルド・トランプ元大統領のたったの51人のフォロー関係と似ている。
誰かのツイートを傾聴するのではなく、自分が言いたいことだけ言い放つという文言のお作法である。
つまり、自分の知り合いからの情報とメンションされたツイートくらいしか見ることができない。いや、メンションやDMなどは1.4億人もフォローされていると物理的に見ていられないはずなので、383人のフォローしている狭い世界で生きている。
自分のTweetの影響力を知っているからこそ、Twitterを買収し、Twitterの経営者選びもTweetしながら、探すといういわば、独自の『プロセスマーケティング』を地でいくスタイルだった。
そして選ばれた『リンダ・ヤッカリーノ』CEOも当然、TwitterでTweetするが、どうも、イーロン・マスクに言わされている感にしか見えない…。
元NBCユニバーサルの広告担当責任者であり、2023年6月5日に就任し、もうすぐ3ヶ月を迎えるという女性だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/リンダ・ヤッカリーノ
もっぱら、織田信長に仕える、明智光秀女性版といってもよいほどで、Twitter社ととしてのCEOの出る場がないほど、イーロン・マスクがツイートしまくるので、いつの日にか、本能寺ツイートがあはずと思い、見ているが、いまのところはイーロン大賛成という保身を貫いているようだ。しかし、いつまでもこの保身が続くわけもなく、殿のストレスがツィートに現れる頃には社会的保身が動くはずだ…。
■『『X』に取り憑かれた男、イーロン・マスク
イーロン・マスクと『X』のかかわり方は尋常ではない…。1990年からのキャリアそのものがすごいが、その中に、なんどとなく『X』という名前が登場する。
こちらの連投ツイートで、イーロン・マスク氏の『X』へのこだわりが時系列でわかる
現在の社名での『X』は SpaceXを筆頭に、Twitterも社名はすでに、X.comへとかわり、ブランドロゴを『X』にすると、事業ブランドとしての『Twitter』は成立しない。
Twitter社の広告の不振やDMの有料化なども考慮すると、Twitterのブランド価値を自らがずっと毀損しているとしか思えないのだ。
『TESLA』の車種にも『モデルX』がある。そして、現在3歳になる嫡男の名前は『X Æ A-12 MUSK』と『X』が含まれている。
そう、なにかすべてを未知の変数である『X』に結びつけているようだ。
クルマにロケットにボーリングにAIにSNSと場所も事業ドリブンも多種多彩を統一してマネジメントするには『X』を旗頭にしてスーパーアプリ化させたいという野望があるのかもしれない。
2022年10月5日 買収直後のイーロン・マスクのツイート
昨年の10月5日のツイートにもこのようにあり、Twitterの買収はその『スーパーアプリ』化への目的があったことは事実だ。しかしながら、何事も一気に変えられないのがSNSの世界だ。
人はSNSの変化を恐れながら、変わらないと飽きてしまうという。Facebookがうまいのはそういったマインドをわかった上で細かなアップデートを一切発表することなく、日々行っているところだ。
■いきなりのスーパーアプリの登場は現実的ではない
Twitterだけでも日本で4,500万人、世界で3.3億人の月間アクティブユーザーMAUが存在するからだ。世界30億人と言われるfacebookの場合は仕様変更を発表せずに一部の人でABテストを繰り返してからもさらに大規模にわたって仕様をノーリリースでおこなってきた。素晴らしいスーパーアプリとして、自画自賛でXを公開したとしてもそれをユーザーが受け入れるかどうは未知数だ。少なくとも、Xのスーパーアプリをローンチしてテストを繰り返してから統合するというのが普通の考えだ。しかし、イーロン・マスクは普通の発想ではないからこれが当たればSNSの歴史が変わる瞬間に立ち会える。
また、Twitterに関しては、一企業の持つ『SNS』会社というだけではなく、インターネットを通じての『文化』や『インフラ』の側面をも持ちあわせている。
イーロン・マスクのプライベート企業であるから、何をするのも彼の自由だが、彼の個性の際立つ方向性でもっと、熱狂的なファンを生み出し、広告主も満足させられる方向もあるのではと考えている。
少なくとも、このTwitter最大の危機を救えるのは、リンダ・ヤッカリーノ女史が、イーロン・マスクを上手にあしらって、権力を取り上げて、象徴としてのポジションを与えて、Twitterにおいての経営を全面的にお任せいただくポジションを奪還してほしい。
そして、その時期はそんなにゆとりはない。せっかちなイーロン・マスクにとっては、さらにCEO交替などという露頭に迷わせる未来をも選択しかねないからだ。