サターホワイト投手お披露目、石崎投手が復帰登板、竹安投手は3球で…《6/29 阪神ファーム》
今週前半は公式戦のない阪神ファーム。28日に和歌山箕島球友会、29日はトヨタ自動車と交流試合が予定されていたのですが、朝早くに中止が決まった28日は予報通り本降りの雨でした。あれではさすがに無理だったでしょう。和歌山箕島球友会で、もと阪神・穴田真規選手は退団後初の鳴尾浜とあり、みんなに会えることや試合ができることを楽しみにしていたため、すごく残念そうでした。でもまた仕切り直しがあるみたいなので、ご期待ください!
そして、きのう29日は試合が始まったものの、強弱をつけて降り続いた雨が一段と激しくなった7回に中断。そのまま降雨コールドゲームとなりました。新外国人・サターホワイト投手が先発で1イニングを投げ、6回には石崎投手が復帰登板しています。気の毒だったのは7回に登板した竹安投手。マウンドに上がって3球目に三塁打され→中断→コールドゲームですからね。
公式戦ではありませんが、竹安投手の記録は『0/3回、1安打、0失点』という数字になります。もし1球も投げていなかったとしても、アナウンスされた時点で記録としては『登板』ですもんね。それと、6対1で迎えた7回に、たとえばトヨタ自動車が同点に追いつくか勝ち越して、攻撃途中でコールドゲームとなった場合、その得点は認めらず、6対1で阪神の勝ちだそうです。
ということは、9回に中谷選手が内野安打を放ったところで終わった6月24日の1軍・広島戦(マツダ)は、あのあと攻撃が続き、逆転してから中断→コールドゲームとなっていたら…中谷選手のプロ初猛打賞は幻だったってことですよね。
ずいぶん話が逸れました。では29日のプロアマ交流試合の結果をどうぞ。なお写真は雨が本格的に降ってくる前しか撮れず、サターホワイト投手しかありません。ご了承ください。
《交流試合》6月29日
阪神-トヨタ自動車 (鳴尾浜)
トヨタ 000 100 = 1
阪 神 310 020 = 6
※7回表無死、降雨コールドゲーム
◆バッテリー
【阪神】サターホワイト-高宮-松田-石崎-竹安 / 坂本-小豆畑(6回~)
【トヨタ】小出(2回)-六埜(4回) / 波方-細山田(5回~)
◆三塁打 瀧野
◆二塁打 森越、瀧野、河原
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]二:荒木 (2-1-1 / 0-1 / 0 / 0)
〃右:柴田 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]遊:森越 (3-2-1 / 1-0 / 0 / 0)
〃遊:植田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
3]中:横田 (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
4]一三:陽川 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
5]三:へイグ (1-0-1 / 0-0 / 0 / 0)
〃一:西田 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
6]指:ペレス (2-2-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃打指:一二三 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
7]右二:板山 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
8]捕:坂本 (2-1-0 / 1-1 / 0 / 0)
〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
9]左:緒方 (3-2-0 / 1-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
サター 1回 16球 (0-2-0 / 0-0) 148
高宮 1回 11球 (0-1-0 / 0-0) 140
松田 3回 44球 (4-4-1 / 1-1) 147
石崎 1回 14球 (1-1-0 / 0-0) 151
竹安 0.0回 3球 (1-0-0 / 0-0) 142
試合経過
まず打線から。1回は先頭の荒木が四球を選び、森越の右越え二塁打で無死二、三塁として横田の打球がセカンドのエラーを誘って1人生還。無死一、三塁となり、続く陽川の右前タイムリーで森越が還って2点目。なおも無死一、三塁で今度はヘイグが右犠飛。この回3点を先取しています。2回は坂本が四球と緒方のセカンド内野安打などで1死一、三塁とし、森越が左前タイムリーを放って1点追加。
3回は2死からペレスが右前打しましたが、板山のファールフライをサード・望月が三塁ベンチ前まで追い果敢にキャッチして無得点 (この時、ちょうど阪神の選手たちがキャッチボール中で、ほとんどは速やかに逃げたのですが植田選手だけは首をすくめながら右往左往。運悪く打球の上がったところがまったく見えていなかった…と試合後に苦笑いしていました)。
1点返された直後の4回は坂本と緒方が連打して無死一、二塁。荒木の打球がピッチャーのグラブに当たってセンター前へ、これがタイムリーとなって1点。なおも一、三塁で1死後に横田が中犠飛。この回2点を加え、6対1としています。5回は西田が四球を選び、代打・一二三は中飛で1死となったあと板山も四球。しかし阪本と緒方はともに変化球で連続三振。6回は先頭の柴田が中前打しますが植田は遊ゴロ併殺打、横田がセカンド内野安打を放ったものの陽川は二ゴロで0点に終わっています。
一方の投手陣。サターホワイトは1回、先頭の水野を二直に切って取り、2番・辰巳は空振りで、3番・河合は見逃しで連続三振を奪い三者凡退。打ち取った球はすべて真っすぐです。ついで高宮が2回の1イニングを三者凡退に。そのあとは松田が登板して、3回は2奪三振三者凡退でしたが、4回は先頭の水野にバントヒット(サード内野安打)を許し、辰巳の犠打と河合の右前打で1死一、三塁として4番・樺澤の左前タイムリーで1失点。
5回は先頭の7番・瀧野に一塁線を破る二塁打を浴び、波方に死球を与えたものの、9番・望月のバントを坂本が捕って三塁封殺!後続をしっかり断って無失点でした。松田は3イニングを投げ、4安打4三振1死球で1失点です。
6回は石崎。まず河合は初球の150キロを打たせて二ゴロ、樺澤は151キロの真っすぐで見逃し三振と簡単に2死を取ってから、5番・河原に150キロセンター右へ運ばれて二塁打(横田がだいぶ左寄りに守っていたため長打に)を浴びます。しかし6番・西潟は変化球で遊ゴロで無失点。最後の遊ゴロは植田が、雨でかなり水分を含んだ土にもめげず、ファインプレーを披露しました!
6回ウラ途中から雨脚が強くなっていて、7回が始まる前に掛布監督が球審に何かを伝え、審判4人が集まって相談。おそらくグラウンド状態を確認して協議を、ということだったと思われます。ここでもう終わるかなと思ったのですが試合は続行されました。降りしきる雨の中、竹安がマウンドへ向かい、7番・瀧野へ1球目が140キロでストライク、2球目は142キロでボール、そして3球目の139キロを打たれて中越えの三塁打。
ここで一層雨が激しくなったため、審判が選手を引き揚げます。マウンドとホームベースにシートがかけられ、3分後の14時29分にゲームセットが告げられました。7回表0死で降雨コールドゲーム、6対1で阪神の勝ちです。
雨ニモマケズ、上々のデビュー
サターホワイト投手は初登板を「気持ちよかった。ゲームの雰囲気を味わえた。野球ができて楽しかった」と振り返り「雨の中でやることもあるし、慣れないといけない。いい意味で意識せずに投げられた」と話しています。16球のうち3分の2は直球で「真っすぐ主体がピッチングの基本だから。マウンドで打者の反応を見るのが大事。真っすぐをしっかり投げられた。スライダーとフォークも投げた。実戦から遠ざかっていたので、慣れたら球速も上がってくると思う」とのこと。
この日は時間が進むほど天候が悪化し、最後までは試合ができない可能性も考えて先発という“出番”になりました。ただし本人いわく「先発は本来の仕事ではなく、試合を見てブルペンから入ってマウンドで投げるのが本当の仕事。先発したのは2007年が最後かな。長い時間かけて準備するのは性格的に合っていない。パッと入ってパッと投げる方が向いている」そうです。
とはいえ「行けと言われたら行く。去年は3イニングを何度か投げたし、ことしは3連投、去年は4連投もあった」と言っていて、どこであっても対応する意気込みでした。
掛布監督は「150キロ出るんじゃない?コントロールもいいし、低めに投げることもできていた。組み立て、配球をわかっているからベンチで安心して見ていられる。ドリス、マテオより組み立ての精度は高いんじゃないかな」となかなかの評価です。あす1日からのウエスタン・オリックス戦では、“本来の場所”で投げるかもしれませんね。
石崎、151キロと105キロ
5月21日に1軍出場登録を抹消され、22日に右ひじの炎症と診断されていた石崎投手が6回に登板。故障後初実戦です。「感覚としてはよかったんですけど、簡単に前へ飛ばされているのがあったので、何とも言えないです。評価のしづらいところ」という感想でした。さらに「変化球がベルト位置より高いところへ行くのが目立った。低めに投げるとか、高さだけ次は気をつけたい」と話しています。
この日の最速が151キロで、2死二塁から西潟選手に対しての2球目が105キロ。その差は46キロですよ。すごいですねえ。また最後、遊ゴロに打ち取った球が127キロ、その前の変化球も125キロ。大きなスライダーでしょうか。打ちにくそうに見えました。まだ1試合目なので、これからまたキレも精度も上げていく石崎投手です。
ここから少し打線します。石崎投手から二塁打を放ったのは、早稲田大学を経てトヨタ自動車に入ったルーキー・河原右京内野手(22)。大阪桐蔭高校で西田選手のチームメイト、同級生でした。試合後、西田選手に聞くと「石崎さんの150キロ、打ったヤツですよ。めちゃめちゃ仲いいです。きょうもメッチャしゃべりました!」と、とっても嬉しそうです。
話は聞けなかったのですが、慶応義塾大で伊藤隼選手の後輩だった辰巳智大外野手(26)や、緒方選手の東洋大の同級生・藤田純基投手(26)、そして板山選手と亜細亜大で一緒だった選手も何人か入部しているので、久しぶりに会ってお互いに刺激を受けたでしょうね。
トヨタ自動車は7月15日からの『第87回都市対抗野球』(東京ドーム)に出場します。昨年は、優勝した大阪市の日本生命に準々決勝で敗れました。ことしも両方が勝ち上がっていけば、またしても準々決勝で日本生命とぶつかります。ことしは絶対に勝つ!と気合いが入っているはず。皆さんもぜひ注目してください。
「3球の予定ではなかったです(笑)」
最後は、7回に登板した竹安投手。マウンドで投球練習をしている頃から、もう相当な降りになっていました。そこで1球目の真っすぐがしっかりストライクゾーンに入ったのはよかったですね。しかも2球目でマークした142キロは、初登板だった6月17日のオリックス戦(舞洲)の138キロを上回る、現時点での“プロ最速”。「この天気の中でも、そこは1つの進歩かなと思います」と笑顔も出ました。
「見栄えは…打たれるかどうかってのはありますけど、1つのバロメーターにはなりますね。前回はいい球が1つもなかったから。きょうは3球目のあまり良くなかったのを打たれたけど、1球でも指にかかったボールがあったのでよかった。あとはその精度を上げていくことです」
引き揚げる時に「きょうは1イニングの予定だった?」と聞いたら「はい。3球の予定ではなかったです(笑)」と竹安投手。なかなかナイスな返しじゃないですか。いい腕前です。
そして、その後に登板予定だったのがトラヴィス投手。「残念ですねえ」と苦笑いで寮に入っていきました。ほんと残念です。ただでさえゲームに入る機会が少ないのに、それも雨で流すなんて。ことしは何だか気合十分な梅雨で、予報以上に降っている気がします。小虎たちのためにも、早く明けてほしいものですね。