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「30代後半で1億ドル以上の契約」は6年1億800万ドルのダルビッシュが何人目!? そのリスクは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)Oct 18, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月9日、サンディエゴ・パドレスは、ダルビッシュ有と6年間の延長契約を交わしたことを発表した。それに先駆けて報じた、MLB.comのAJ・キャッサベルらによると、契約は6年1億800万ドル(2023~28年)。それまでの契約は6年1億2600万ドル(2018~23年)だったので、旧契約の6年目を新契約の1年目と置き換えた格好だ。

 ダルビッシュは、8月に37歳となる。シーズン年齢(6月30日時点の年齢)で言うと、今回の契約は36歳から41歳までだ。

 ダルビッシュの前に、35歳以上のシーズン年齢からスタートする、総額1億ドル以上の契約を手にした選手は、マックス・シャーザー(ニューヨーク・メッツ)とジェイコブ・デグローム(テキサス・レンジャーズ)の2人しかいない。

 シャーザーの3年1億3000万ドル(2022~24年)は、37歳から39歳まで。デグロームの5年1億8500万ドル(2023~27年)は、35歳から39歳まで。どちらも、ダルビッシュと同じ先発投手だ。

 いずれの契約も、球団にとって、年齢によるリスクはある。シーズン年齢が30~35歳の6年契約と36~41歳の6年契約を比べれば、総額が同じ場合、基本的には後者のリスクが高い。ただ、こんな考え方もできる。

 例えば、ダルビッシュより4歳下の先発投手Aと10年契約を交わすとしよう。32歳から41歳までの契約だ。その総額のうち、36歳から41歳までの6年分がダルビッシュと同額の1億800万ドルだったとすると、契約の時点で、このスパンのリスクが高いのは、ダルビッシュよりも先発投手Aのほうだ。36歳を迎える前に、パフォーマンスが低下し、元には戻らないかもしれない。

 なお、総額は1億ドルに届かないものの、同じく先発投手のジャスティン・バーランダー(メッツ)も、今オフに2年8666万ドル6666ドルの契約を得ている。こちらは、40歳と41歳の2シーズンだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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