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日本代表・田中史朗、サンウルブズの新しい形に期待。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
勝負へのしぶとさが光る。(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 ラグビー日本代表の候補合宿が10月1日から2日間あり、日本人初のスーパーラグビー(国際リーグ)プレーヤーである田中史朗も参加した。オーストラリア代表などとぶつかる11月のツアーに備え、連携強化の必要性を再確認した。

 唯一の練習日となった2日、攻撃戦術の確認などがなされた。かねてから作り上げていた横幅の広い攻撃陣系を保ちつつ、ボールを持たない選手が攻防線へ果敢に飛び込む形が垣間見える。チームを率いるジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、その右腕のトニー・ブラウンアタックコーチは、以前スーパーラグビーのハイランダーズを指導。田中はそのハイランダーズで2013年から4シーズンプレーしてきた。国内所属先のパナソニックの前身がブラウンが現役時代に在籍した三洋電機であることと相まって、今度のマイナーチェンジにも違和感なく対応している様子だ。

 スーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは、このほど日本代表のジョセフをヘッドコーチに就任させた。ジョセフが兼任ヘッドコーチとなる今後についても、田中は前向きに捉える。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今度の攻撃面でのブラッシュアップについて。

「僕にとっては、そんなに新しいという感じはない。やったことのない選手もいると思うので、(当該の選手にとっては)新しいことだと思うんですけど。ひとりひとりがスペースを見つけて、連携を取っていくのが大事です」

――ジョセフが日本代表とサンウルブズのヘッドコーチを兼任します。

「日本ラグビーとしてはいいことです。代表の期間は短いのですが、サンウルブズの期間中に(指揮官と選手が)コミュニケーションを取ってできる。代表にとってはプラス」

――スーパーラグビーでのジョセフのコーチングやマネジメントは、すでに経験済みです。

「コーチングはフォワードのことをやるのであれ(自身との関りは薄い)ですが、チームをまとめるのがうまい。威圧感もあるし、試合前のトークはすごい。英語だったので僕は(理解に)難しかったところもあったのですが、終わってから皆に『どういうこと?』って聞いたら、熱い、チームのためにと思えるような話だったと。そういう意味では、また新しいコーチングを体験できるので、いいんじゃないかと思います」

――選手のコンディショニング管理について。現状ではサンウルブズの活動期間中に首脳陣が休みを与えていますが。

「ニュージーランドではスーパーラグビーがあって、その他にはITMカップ(地域代表選手権メトロ10カップの前身)があってもそんなに試合数はない。ただ、日本にはトップリーグがある。さすがに全部はできないので、(管理は)当たり前のこと。自分がベストのパフォーマンスを出せるようなスケジュールを組んでもらえればと思います」

 直近の国内リーグの試合でも、相手ランナーの持つボールに手をかけ落球を誘うなど抜け目のなさを貫く。日本代表では戦術と同時に、勝負への厳しさの涵養も求められる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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