今季のNBAでは5名の黒人新監督が誕生。それぞれの活躍を期待!
2021年7月21日にオーランド・マジックの監督に就任したジャマール・モズリー(43)。東地区15チーム中14位と苦しんでいるが、彼が監督として采配を振るう姿を目にすると、否が応でも時代の移り変わりを感じる。
モズリーは現役時代、メキシコ、スペイン、フィンランド、韓国でプロ選手としてプレーした。2005年よりコーチングスタッフとなり、カーメロ・アンソニーが在籍していたデンバー・ナゲッツ、"KING"レブロン・ジェームズが去った後のクリーブランド・キャバリアーズ、ダーク・ノヴィツキーが柱だったダラス・マーベリックスでアシスタントコーチを経験。
16年の下積みを経験し、満を持して指揮を執ることとなった。
モズリーはコロラド大学在籍時に、母親から「指導者となった時の為に、リーダーシップが何であるかを学びなさい」と説かれた。マジックの新監督は、果たして自分がそのような仕事に就けるのかと疑問覚えながらも、献身的にコーチング論を身に付ける。
その努力が、彼をNBA監督にまで持って行った。
モズリーだけではない。NBAでは今シーズンから、彼を含めて5名の黒人監督が誕生している。ポートランド・トレイルブレイザーズのチャウンシー・ビラップス、ニューオーリンズ・ペリカンズのウィリー・グリーン、ボストン・セルティックスのイーメイ・ユドーカ、そして八村塁が所属するワシントン・ウィザーズのウェス・アンセルド・ジュニア。
グリーンは『ニューヨーク・タイムズ』の取材に応じ、「15年前だったら、我々は今の立場にいられなかった」と語った。
NBAは世界最高のバスケットボールを披露する傍ら、Black Lives Matterにも積極的に参加し、社会への提言を続ける。
トップ・バスケットボーラーが自身のルーツを大事にし、社会的弱者を慮る姿があるからこそ、リーグとして発展してきたのだ。
現在、30チーム中13名の黒人監督が指揮を執るNBA。プラス2名も所謂カラードである。つまり、半数が非白人監督で運営される時代となった。
NBAプレイヤーの70パーセント以上が黒人選手であるのに対し、監督の座に就ける有色人種がついに半数となった。私の周囲では「遅過ぎた」と主張する人もいるが、まずは変化を喜びたい。
第46代アメリカ合衆国大統領が誕生してから、初めての開幕となった今シーズン、新たな息吹を感じさせてくれそうだ。