安倍氏国葬 韓国メディアの報道 「G7首脳誰も来ない」「反対運動に背いた」 批判的報道が上位入り
27日に行われた安倍晋三元首相の国葬。
これを韓国メディアはどう報じたのか。昨日から日本の地上波ニュースが大体的に国葬を報じるなかで、ちらっと触れられたニュースでもある。
国葬開始の14時から地上「SBS」などが速報を出した。「反対派デモの様子」「反対異見が多い点は岸田政権にとっての悪材料」「首相が参席した」という点などが伝えられた。多くは中国など他国の伝え方と並列しての報道だった。
そこから一歩踏み込んで、ここでは「韓国ではどれほどの関心が持たれたのか」について。
なにせ、韓国にとっての安倍氏は「日本の軍国主義を復活させようとしている存在」の象徴だった。2019年の「ホワイト国除外」に始まる「NO JAPAN運動」は、現地で細かく取材すると「NO 安倍」という横断幕も多く見られるほどだった。7月8日の痛ましい銃撃事件は韓国でも大きな関心事となった。
ただし、昨日の国葬に関しては静かな比較的報道ぶりだった。
「聯合ニュース」は毎朝「主要18媒体の社説タイトル」の記事を掲載するが、28日付けの朝刊には全紙掲載なし。
ネット上での反応も静かだった。
「日本(イルボン)」という言葉と紐づけて、「国葬」関連の言葉はどれほど興味を持たれているのか。この点をウェブ上での「韓国語での言及量」を調べるビッグデータサイト「SomeTrend」で調べた。そこで27日、28日「日本」の関連キーワードを調べた結果…
「総理」が8位に入るのみだった。
1位は「オタク」でそれ以下は「アイドル」「アルバム」「nct127」などエンタメ系が入った。ここ数年、このランキング上位はエンタメが占めているが、安倍氏の国葬の話題はそこに割って入ることはなかった。銃殺事件の際には上位に入っていた。
それでも関連記事が27日の「媒体別ニュースランキングベスト5」に入っている。確率は3/85だ。
国内最大のポータルサイト「NAVER」の「デイリーアクセスランキング」は、同サイトにニュース提供する全85媒体別で紹介される。このうち3媒体でベスト5入り。7月8日の銃殺事件の際には各紙で関連記事が上位独占だった点と比べれば確かに関心度は下がっている。
大手紙「中央日報」系のテレビ局「JTBC」で1位、10大紙の一角「国民日報」で5位、「朝鮮日報」系のテレビ局「TV朝鮮」で1位だった。
「安倍前日本総理 きょう国葬…G7首脳は誰も来ない」 JTBC1位
タイトルの内容のほか、日本国内の参席者が当初の6000人から3600人に減った点、NHKでの世論調査が「反対57%」だった点などを伝えた。
「"国葬反対"に背き 安倍の霊前に頭を下げる岸田」 国民日報
国葬反対デモ、各国の参加者の概要を伝えつつ、現場の写真をふんだんに掲載。比較的淡々と日本での様子を伝える内容だった。
「安倍の国葬にG7首脳全員不参加…面子を失う岸田総理」 TV朝鮮
動画ニュース。「主要7カ国の首脳がすべて不参加となり、国葬の弔問外交の場として活用しようとしていた岸田文雄首相の戦略は力を失ったとの分析も」。
安倍氏国葬は「関心のある層には強い関心がある」という証でもある。ここでの上位入りの記事の視点が「韓国人にとっての関心対象」ということになりそうだ。生前の安倍氏についてあれこれと触れる内容はなかった。いっぽう、すべては国葬の意義を問う「批判的な視点」だった。