Yahoo!ニュース

【子どもと遊ぶのがしんどい】ほどよい距離感とは?

ピッグママチャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー
Photo:pixabay

子どものことは好きだけど、一緒に遊ぶと疲れを感じるという人は、多いのではないでしょうか。

子どもの体力に追いつけず、身体的に疲れてしまう。

子どもの世界観についていけず、「どう遊んだらいいかわからない」と悩んでいる人もいるかもしれません。

そこで今回は、子どもと遊ぶ際のほどよい距離感を考えてみましょう。

子どもと遊ばないとどうなる?

Photo:pixabay
Photo:pixabay

まずは、子どもと遊ばないとどのような影響が出るか考えてみましょう。

幼少期の遊びについて、興味深い研究結果が書かれた記事があったので、その一部を紹介します。

非営利団体、全米遊び研究所の創設者スチュアート・ブラウン氏によると「暴力的な犯罪者のほぼ全員が、子ども時代に十分遊んでいなかった」という事実が判明したそう。

人を暴力行為に向かわせる要因を研究するために、テキサス州刑務所で有罪判決を受けた犯罪者の調査を行ったときのこと。

ブラウン氏は同僚たちとともに、受刑者の生い立ちを徹底的に調べ、すべての情報を精査したところ、この共通項が見つかったのです。

日中、保育所や学校などで他の子どもたちと過ごしていれば、遊び不足となる心配はないと考えてもよさそうです。

問題は、夏休みなどの長期休みや、家庭での過ごしかたですよね。

近年、猛暑日が多く、夏は外に出ることすら危険な日も多いです。

では、いったいどのように過ごしたらよいのでしょうか。

触れ合い、会話するだけでも遊びになる

Photo:pixabay
Photo:pixabay

子どもが赤ちゃんだったころを思い出してみてください。

赤ちゃんを抱っこし、絵本を読み聞かせるだけでも、それは十分な遊びだったのです。

大切なのは、子どもに「遊んで」と言われた際に、参加する気持ちを見せること。

「ブロックで、お城を作ったんだね」などと、状況を説明するだけでもいいので、会話をし、興味があることを示してみましょう。

例えば、公園でベンチに座って「ここで座って見てるからね」と伝え、「きれいな葉っぱがあったら見せて」と言うと、子どもは安心して遊べるだけでなく、目的が見つかります。

一緒になって探さなくとも「教えて」と伝えるだけで、子どもは自分で探し、知らせてくれます。

どうしても疲れて遊びたくないときは、「体調がよくないから、1人で静かにできる遊びを思いついたら教えて」と伝えてみましょう。

ただ「遊べない」と断るのではなく、事情を知らせた上で、代替え案を子どもに考えさせてみましょう。

そうすることで、他人を思いやる気持ちや、思い通りにいかないことをどう対処するか考える力がつくでしょう。

おもちゃは買わずに、自由に作らせてみる

Photo:pixabay
Photo:pixabay

3歳を過ぎて、はさみやのりなどを使うことに慣れてきたら、工作をさせてみてはいかがでしょうか。

自分でおもちゃを作ることで、想像力と創造力が育めます。

ノーベル賞を受賞した物理学者なども、幼少期にがらくた置き場などで、自分で自由にものを作っていた人が多いそうです。

遊ぶことを見つける必要性が、ありとあらゆる思考の挑戦と知能の発達につながったのかもしれません。

アメリカ宇宙航空局NASAでも、新たな「採用基準」が話題となりました。

以前は、国で最高の学校を最高の成績で卒業した、いわゆるエリートを採用することに重点が置かれていましたが、近年、そういう若者の多くが、必ずしも問題解決を得意としていないことがわかったそうです。

採用の過程で、小児期と思春期に手を使ってユニークな遊びや、作業をした経歴を持つ卒業生の獲得を優先し始めました。

子どものときにものを作り、遊んだ経歴に特徴のある人が、問題解決をいちばん得意とする人たちだという考えに至ったのでしょう。

家事のお手伝いだって立派な遊び

Photo:pixabay
Photo:pixabay

子どもが、身の回りのことができるようになってきたら、家事にゲーム感覚で参加させてみてはどうでしょうか。

「洗濯バサミでとめる」「ハンガーにTシャツを掛ける」といった作業は、正しくやらないと、洗濯物が床に落ちてしまいます。

こうした成功と失敗がわかりやすい作業こそ、ゲームには打ってつけです。

速さを競うのではなく、丁寧にできたことを認める。

そうすることで、子どもにとっても、自信や達成感につながるのではないでしょうか。

自分の身の回りのことを自分ですることは、自立への一歩ともなります。

さいごに

幼少期の家族との楽しい思い出として、一緒にどこかへ出掛けたことや、遊んだことを挙げる人も多いでしょう。

何気ない日常や、年に1度の旅行、どちらも家族と一緒に笑顔で過ごしたということが思い出として残っているのではないでしょうか。

無理して遊ぶのではなく、子どもの成長を見守り、喜ぶ姿勢が大切なのかもしれません。

参考記事:

子どもの「遊び負債」が勉強不足より遥かに怖い理由【書籍オンライン編集部セレクション】DIAMOND online

「遊びの時間が足りない子」の結構残念な行く末 子どもでいられる時間の重要な意味と意義 東洋経済 ONLINE

チャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

一児の母として、コーチングや心理学を子育てに応用する方法などを発信しています。年間180本ほど見る映画ファン。

ピッグママの最近の記事