すぐなくなる旅行クーポン 取れるのは「常連」だけ?
6月17日、観光庁が「県民割」の期間延長や、7月から全国に拡大することを発表しました。毎回のように予約できる人がいる一方、すぐになくなって予約できないとの声も目立つようになっています。なぜこのような違いが生まれるのか考察してみます。
クーポンを「獲得」しただけでは意味がない場合も
県民割(地域観光事業支援)や都民割(もっとTokyo)などを活用し、おトクに旅行できるプランが増えています。
割引クーポンなどの数に限りがあるのは仕方ないところですが、その中でも毎回のように予約できる人と、何度やっても予約できない人に二極化している印象があります。
こうしたクーポンを予約するなら、まずは準備が必要です。クーポンの配布が始まる時間を調べておくとか、予約サイトのアカウント登録をしておくのは基本といえます。
どのプランを予約するか、日付や人数、朝食の有無などを決めておくことも重要です。クーポンの配布が始まるとサーバーが重くなり、検索に時間がかかる場合があるため、あらかじめ予約ページを開いておくことをおすすめします。
宿泊施設やプランによっては、割引を前提に価格が高めに設定されるものもあるようです。普段の相場を確認しておくとよいでしょう。
また、SNSを見ていて気になるのは、「クーポンを取る」ことに夢中になっている人がいる点です。実際には、予約サイトによっては必ずしもクーポンを獲得する必要はありません。
たとえば楽天トラベルの「もっとTokyo」の場合、条件に合った宿泊施設を予約しようとすると、クーポンが自動的に選択・適用されます。もっとTokyoの存在を知らない人でも、割引を受けられる仕組みといえます。
楽天トラベルにはクーポンのページもあり、そこから「クーポンを獲得」することもできます。しかし実際に割引が適用されるのは予約の先着順なので、クーポンを取るだけではあまり意味がないというわけです。
このようにちょっとしたコツを知っていると、無駄な操作を避けつつ最短の手数で予約することができます。そういう意味では、旅行の予約に慣れている「常連」ほど有利な仕組みといえるでしょう。
とはいえ、筆者が試してみた限りでは、旅行クーポンの争奪戦はそれほど激しいものではありません。人気チケットのオンライン販売などでは秒単位でなくなるものもありますが、「もっとTokyo」は分単位で余裕がありました。
「おトク」よりも、旅に出るきっかけとして
県民割、都民割はいまのところ地域限定の割引です。一方で、全国の誰でも使える「サッポロ割」のような割引もあり、筆者も個人的に利用してみました。
その上で感じたのが、クーポンはおトクというよりも、旅に出るきっかけを与えてくれるという点です。
最近はコロナ禍で旅行する機会が減り、自宅で過ごす時間が充実している人も多いのではないでしょうか。旅に出るにしても、感染予防に気を付けつつ、交通機関やお店では混雑が気になるなど、なにかと面倒くさい印象があります。
こうした面倒くささを考えると、1泊5000円程度の割引があってプラマイゼロくらいで、それほどおトクとは感じません。しかし、再び旅に出てみようかと思わせるくらいには、意味のある割引であるように思います。