ベンチマークソフト『Geekbench(ギークベンチ)』による「iPhoneの性能とバッテリー寿命の関係」の調査結果を受けて、Appleは各ニュースサイトに対して古いiPhoneの性能を意図的に下げていることを認める公式声明を出しました。
この調査は海外の大型掲示板サイト『Reddit』に投稿された「バッテリーを交換すると遅くなったiPhoneの性能がもとに戻る」という情報と、その一連の書き込みから事実かどうかを検証するために実施されたものです。
そして、Geekbenchの調査によると「『iOS 10.2.1』から意図的に性能を下げているであろうスコア(iPhoneのピーク性能を示す数値)の分布を確認でき、『iOS 11.2.0』からは『iPhone 7』でも同様の分布を確認できる」ことが分かったのです。
これを受けて一部では「(新しいiPhoneを買わせるために)Appleは古いiPhoneの性能を意図的に下げているのでは?」と騒ぎになりました。
Apple「バッテリーの劣化によるシャットダウンを防ぐため」
この調査結果を受けて、Appleは調査結果を報道した米ニュースサイト『Mashable』や『TechCrunch』などに対して、「性能を下げている」ことを認める公式声明を出したものの、それは「シャットダウンを防ぐため」であるとの理由もあわせて明らかにしました。
Mashableに寄せられたAppleの声明
筆者の翻訳(Google翻訳の力を借りています)
ようするに「バッテリー性能が劣化するとピーク性能を発揮しようとした際にシャットダウンが起きる可能性が高いため、それを防ぐためにバッテリーの劣化状態によってピーク性能を抑えるようにした」というわけです。
説明を聞くかぎりではAppleの行っていることは間違ってはいないのですが、問題は「Geekbenchに指摘されるまでユーザーに対して黙っていた」点です。毎年のようにiPhoneを買い換えるユーザーでないかぎり、多くのiPhoneユーザーは時間経過で性能の下がる端末を所有していることになります。この事実はそう簡単に受け入れられるものではありません。
仮にバッテリー交換をすれば直る症状だとしても、告知がされていなければ「バッテリーを交換する」という対処法にたどり着くこともできません。これでは「毎年iPhoneを買い換えさせるのが狙いだろう」との批判も仕方のないことだと言えます。
とりあえず古い端末を利用しているiPhoneユーザーの方で「最新のゲームやアプリを起動すると動作が重いな」と感じられている人は、バッテリーの交換を検討されてみると良いでしょう。