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「日帰り温泉ではアレをやめる」ソロ温泉の達人がひとり旅でこだわること

高橋一喜温泉ライター/編集者

ひとり旅の温泉旅(=ソロ温泉)は、泊まりがけで出かけるのが理想だ。しかし、「十分に休みがとれない」「一日だけなら空いている」「さくっと旅に出たい」というケースもあるだろう。

そういうときは、「日帰りでソロ温泉」という選択肢がある。日帰り旅行は「ひとり旅はちょっと抵抗がある」という人にもおすすめだ。

移動は「1時間」が目安

日帰りの場合、目的地までの距離は短いほうがいい。さくっと短時間で行けて、すぐに温泉につかれる。そういう意味では、移動時間は1時間以内が目安となるだろう。

筆者は東京に住んでいたとき、日帰りのソロ温泉旅によく出かけていた。東京近郊で、日帰りでさくっと温泉に入ろうと思えば、都市型の温泉施設「スーパー銭湯」が有力な選択肢となる。

今は北海道の札幌市に住んでいるが、温泉が恋しくなると、札幌近辺にある温泉地に日帰りで出かけている。お気に入りは豊平峡温泉(外部リンク)である。

豊平峡温泉
豊平峡温泉

豊平峡温泉は札幌の奥座敷・定山渓温泉の近くに位置する日帰り温泉で、札幌中心部から車で約1時間の距離である(札幌駅からもバスの直行便が出ている)。この辺りまで足を延ばすと、山も深くなり、北海道らしい大自然を体感できる。

肝心の温泉は、黄金色の濁り湯が源泉かけ流し。さらには湯の析出物(湯の花)が浴室の床や湯船を覆っており、まさに温泉の芸術ともいえる代物。それだけ温泉の成分が濃い証拠である。

山々を望む露天風呂は北の大地にふさわしい広々とした湯船で、開放感満点である。昼過ぎに出かけて、湯につかっては休憩室でビールを飲み、昼寝をする。目覚めたら、また湯につかる。そして、夕食はレストランで名物のインドカレーをいただく。ひたすら心身を休めるのに最高の温泉である。

豊平峡温泉の本格派カレー
豊平峡温泉の本格派カレー

「空白の時間」を得るために

ソロ温泉において日帰り施設を選ぶ際のポイントは、入浴後に休める休憩室やお休み処があり、何度も入浴可の施設である。入浴しかできない温泉では、かえって疲れるだけで、ソロ温泉の目的を達成できない。

また、日帰りで行けるような温泉施設は人気があって入浴客も多い。スーパー銭湯などならそれなりの混雑は覚悟しないといけない。週末や夕方から夜にかけての混みあう時間帯は避けるなどの工夫は必要となる。

日帰りのソロ温泉であれば、人間関係のスイッチをオフにするために、一日スマホの電源を落としてしまってもいいだろう。スマホを見るのをやめて、自分と向き合う「空白の時間」を得ることができる。

「そこまではできない」ということであれば、スマホはロッカーに入れたまま館内でひとりの時間に徹するくらいなら可能だろう。

入浴客が多い温泉施設の場合は、特に温泉や自分と向き合うための環境づくりが重要になる。

ぽっかりと時間が空いたときは、日帰りソロ温泉に出かけてみるのも楽しいはずだ。

高橋一喜|温泉ライター

386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3800超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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