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女性として初の快挙! 里見香奈女流四冠(30)棋士編入試験・受験資格獲得&棋王戦本戦進出決定!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 5月27日。大阪・関西将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯予選決勝▲里見香奈女流四冠(30歳)-△古森悠太五段(26歳)戦がおこなわれました。

 10時に始まった対局は18時18分に終局。結果は99手で里見女流四冠の勝ちとなりました。

 里見女流四冠は強敵を連破して予選を突破。女性として初めて、プロ公式戦におけるタイトル戦の本戦に進みました。

 また里見女流四冠はプロ公式戦で棋士を相手に直近で10勝4敗(勝率0.714)という成績を挙げました。これは「いいところどりで10勝以上、なおかつ6割5分以上」という棋士編入試験の受験資格を満たすものです。こちらもまた、女性としては史上初の快挙となりました。

終局後コメント

里見女流四冠「(相振り飛車の出だしから居飛車に戻して)最終的に対抗形に落ち着いたんですけど。いい感じで動きを見せられたかな、とは思うんですけど。ただ、そうですね、一手一手ちょっと難しくて。やってるときはそこまで自信があるわけじゃなくて。難しいかなと思って指してました。(終盤の85手目)▲8五桂と決めて玉を引っ張り出すことができて、いいのかな、とは思ってました。(予選を振り返って)苦しい将棋もあったんですけど。ただ、形勢はともかく、そのときどき、集中して指せたのが、あきらめずに指せたのが、結果につながったのかなと思います。(タイトル戦の本戦入りは女性で初めて)自分でもここまで勝てるとは思ってなかったので。実力以上のものが出せれたのかな、と思うんですけど。また、もう一局多く指せるということで。それがすごくうれしいです。(女性で初めて棋士編入試験の受験資格を獲得した)すごく光栄なことではあるのかな、と思ってます。(棋王戦だけではなく、他棋戦でも勝っている)そうですね、本当に・・・。近年、女流棋戦も新しく作っていただいて。対局をする場を増やしていただいていることが、なんというか、すごく感謝をしていて。短期間でたくさん対局ができることを、幸せを感じております。(棋士編入試験は受験する?)いや、ちょっとあまり考えてなかったので(笑)。うーん・・・。まあ、そうですね。今日もちょっと勝てるとは思ってなかったので。また、そうですね、考えたいかな、と思ってます」

古森五段「ちょっと作戦がいろいろ、里見さんはなんでも指されるので、絞りづらい面があって。ちょっと想定外の将棋になったんですけど。けっこう途中は難しいかと思ったんですけど。進んでみるとちょっと、少しずつ苦しい展開で。作りがわるかったのかな、というふうに思いました。(今期棋王戦予選、自身初の本戦入りがかかっていたが)けっこう順調に勝てていってたところではあって。波には乗れてたんで。けっこう、今期はチャンスかなと思ったんですけど(苦笑)。今期で決めたいなというところはあったので、残念なところだったと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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