Yahoo!ニュース

13年3億5000万ドルは幻に終わり、12年3億1500万ドルで別の球団へ。ポジションも変更!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・コレイア(左)とフランシスコ・リンドーア March 20, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 カルロス・コレイアは、サンフランシスコ・ジャイアンツではなく、ニューヨーク・メッツに入団するようだ。

 今オフ、コレイアとジャイアンツは、13年3億5000万ドルの契約で合意に達した。けれども、12月20日に行われるはずだった入団会見は、開始時刻の数時間前に延期となった。APのロナルド・ブラムによると、コレイアの身体状態が理由だという。それについては、「13年3億5000万ドルの大型契約が白紙に戻る!? 予定の入団会見が延期される」で書いた。

 そこから、24時間経つか経たないうちに、コレイア(と代理人のスコット・ボラス)は、新たな球団と契約をまとめた。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンによると、12年3億1500万ドルの契約をメッツと交わすという。数日前、メッツのオーナー、スティーブ・コーエンは、ヘイマンとのインタビューで、コレイアに約3億ドルの契約を申し出た(が手に入れることはできなかった)ことを明かしていた。

 13年3億5000万ドルと12年3億1500万ドルを比べると、年数が1年短く、総額は3500万ドル少ない。わずかながら、年平均額も下がる。2692万3077ドルと2625万ドルだ。

 ただ、コレイアとの契約が成立すると、今オフ、メッツがFAと交わした契約の合計額は、8億ドルを超える。これまでの約5億ドルについては、「FAに5億ドル近くを費やしたメッツは、トレードでも大物を手に入れる!?」にリストを掲載した。

 メッツには、コレイアと同じ遊撃手のフランシスコ・リンドーアがいる。こちらは、昨シーズンの開幕直後に、10年3億4100万ドルの延長契約を交わした。この契約は、今シーズンが1年目だった。

 リンドーアとコレイアは、どちらもプエルトリコ出身。年齢も近く、29歳と28歳だ。リンドーアは2011年の全体8位、コレイアは2012年の全体1位。2人とも、2015年6月にメジャーデビューし――コレイアのほうが数日早かった――以来、遊撃以外の守備についたことはない。

 おそらく、コレイアは、メッツで三塁を守ることになるだろう。この状況は、アレックス・ロドリゲスと似ている。2004年2月のトレードにより、A-RODはテキサス・レンジャーズからニューヨーク・ヤンキースへ移籍した。それまでは遊撃を定位置としていたが、ヤンキースでは三塁を守った。ヤンキースの遊撃には、デレク・ジーターがいた。

 コレイアがメッツに加わることで、今シーズン、三塁を守ったエデュアルド・エスコバーは、ポジションを失う。一方、ジャイアンツでは、遊撃から三塁へ移る予定だったブランドン・クロフォードが、来シーズンも遊撃を守る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事