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若年層は直近で7.5%と急速に進むたばこ離れ…アメリカ合衆国の喫煙率推移

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
日本同様にアメリカ合衆国でも喫煙者は減っているとの話だが(写真:イメージマート)

先進諸国では健康リスクを受けて喫煙率は漸減状態にある。アメリカ合衆国の喫煙率の推移を、同国の医療保険関連の公的機関CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病予防管理センター)の部局BRFSS(Behavioral Risk Factor Surveillance System)の公開値(※)から確認する。

その公開値によればアメリカ合衆国において最新の調査時点(2022年)でたばこを吸っている、つまり純粋な「現在喫煙率」は13.5%。

↑ アメリカ合衆国の喫煙率(18歳以上、CDC・BRFSS)(2022年)
↑ アメリカ合衆国の喫煙率(18歳以上、CDC・BRFSS)(2022年)

その喫煙率の過去からの動向は次の通り。まずは全体および男女別の動き。

↑ アメリカ合衆国の喫煙率(18歳以上、CDC・BRFSS、男女別)
↑ アメリカ合衆国の喫煙率(18歳以上、CDC・BRFSS、男女別)

おしなべて男性は女性よりも喫煙率は高く、その差はほぼ一定。時代が移り変わっても、男女差にあまり変化は見られない。そして今世紀初頭でやや上昇ぶりを見せるが、概して喫煙率は減る傾向にある。2011年にイレギュラーな上昇の動きをしているが、これはグラフ内注釈にもある通り、計測様式の変更によるもの。2012年以降は再度減少傾向を示していることから、喫煙率は実質的に2005年以降確実に減少の動きを示していると見てよい。

一方年齢階層別に見ると、最若年層の喫煙率減少度が大きいことが確認できる。

↑ アメリカ合衆国の喫煙率(18歳以上、CDC・BRFSS、年齢階層別)
↑ アメリカ合衆国の喫煙率(18歳以上、CDC・BRFSS、年齢階層別)

前世紀末期から年齢階層別の喫煙率では最上位を見せるようになった18~24歳層だが、2003年以降は急激に値を落としている。一方で25~34歳層をはじめ他の階層の減少率は緩やかで、2007年には18~24歳層と25~34歳層の喫煙率はほぼ同じ値となる。「若年層のたばこ離れ」との言い回しはいかにも陳腐だが、あながち間違ってもいない表現であることが(少なくともアメリカ合衆国では)分かる。2011年の計測様式の変更後も、18~24歳層の喫煙率は落ち込み続け、25~34歳層が最上位を維持していた。

一方で高齢層、具体的には55歳以上は喫煙率の減少ぶりは穏やかなまま。

直近の2022年では25~54歳が大きく落ち込む結果となった。また、2021年に続いて18~24歳が65歳以上よりも下となり、年齢階層別ではもっとも小さな値を示すことになっている。

なお、喫煙が法令で許される年齢だが、日本では20歳以上なのはご承知の通り。一方アメリカ合衆国では2019年12月20日付で改正された連邦食品医薬品化粧品法によって、たばこ製品の販売対象の最低年齢はこれまでの18歳から21歳に引き上げられている。これには紙巻たばこだけでなく、電子たばこや葉巻などすべてのたばこが該当する。今や喫煙に関してアメリカ合衆国は日本より厳しいのが実情である。18~24歳層の喫煙率が急落しているのも、この法改正が一因なのかもしれない。

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※公開値

CDCにおける健康関連調査やその結果の公開は2011年分以降において、CDC自身からその部局のBehavioral Risk Factor Surveillance System(BRFSS)に移行し、それに伴い調査方法にも多少の変化が生じている。「厳密な連続性は無いので、比較の際には注意を要する」との説明もある。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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