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『マイファミリー』で新たに誘拐された娘役の凛美。物語のカギを握る美少女の素顔は?

斉藤貴志芸能ライター/編集者
撮影/河野英喜

波乱の展開が続くドラマ『マイファミリー』。二宮和也、多部未華子の鳴沢家と家族ぐるみで付き合う阿久津家の一人娘・実咲役で、4話から登場したのが凛美。前回の終わりには新たに誘拐されたことが犯人から告げられた。今後のストーリーのカギを握るようだ。この春に高校生になったばかりで美少女ぶりも目を引く凛美に、役への取り組みと自身のバックグラウンドを聞いた。

高校でやりたいことのリストを作りました

――4月から高校生になりました。

凛美 中高一貫の学校で進学したんですけど、勉強がすごく大変になりました。高校が始まってすぐ大学受験の話題が出たり、中学のときより自己責任で勉強する感じなんです。授業のスピードも速くて、私は心配性だから自分で決めた勉強量が多すぎて、困っています(笑)。

――中学受験したそうですが、これから仕事がより忙しくなるのを見越して、高校は芸能コースか通信制に行くのかと思っていました。

凛美 高校受験をしないために中学受験をしたので。中学で親友ができて、離れたくない気持ちもありました。

――ツイッターで「高校生にやりたいことリスト」などを「教えてくださーい」と募っていました。ピンと来たものはありました?

凛美 “放課後○○”や“制服○○”みたいな高校生ならではのことがいいなと思いました。自分でも学校で友だちと話しながら、やりたいことリストをノートに書いたんです。春、夏、秋、冬と分けて、1年かけても3年かけても「全部できるように頑張ろうね」と。

――たとえば、どんなことを書いたんですか?

凛美 「浴衣を着て夏祭りに行く」とか「ピクニックをする」とか。あと、よくTikTokでありますけど、学校でケーキを作りたいなと思っています。それから、月に1回プリクラを撮れば、ハロウィンやクリスマスの記念になるし、1年を振り返って変わったのがわかると面白そうです。写真をいっぱい撮って、思い出にしたいですね。

――素敵な青春になりそうですね。中学では料理部だったそうですが、さすがに高校で部活までは難しそうですか?

凛美 入りたいんですけど、やっぱりレッスンや『ニコラ』モデルのお仕事に、今だと『マイファミリー』の撮影もあるので。それに、コロナで部活自体が制限されているので、その分、演技のお仕事をしながら勉強したり、遊んだほうがいいなと思いました。

日曜劇場ではスポーツものが好きでした

――現在『マイファミリー』に出演中ですが、日曜劇場のドラマは自分でも観てましたか?

凛美 ドラマは好きで、中でも日曜劇場は特別な枠だと思っていました。絶対面白いので。

――どちらかというと大人向けですが、中学生が観ても面白かったと?

凛美 お父さんやおじいちゃんがすごく好きで、一緒に観ているうちにハマりました。私的には『陸王』や『ノーサイド・ゲーム』が好きでした。

――スポーツものですか。

凛美 スポーツに詳しいわけでは全然なくて、自分の知らない世界を知れた気がして。今も陸上の本を読んでいます。あと、熱い感じというか、みんなで協力して試練を乗り越えていくのが、勇気をもらえました。

――では、今回の出演が決まったのは感動でしたか?

凛美 まさかあの日曜劇場に……という感じで、ビックリしました。プレッシャーや不安や楽しみが混ざってましたけど、お父さんはすごく喜んでくれました。

クラスのみんなと満遍なく仲良しです

――『マイファミリー』で演じている阿久津実咲は非の打ちどころがない女の子ですね。明るく活発で頭も良くて、誰にでもやさしいクラスの人気者という。凛美さんにピッタリじゃないですか?

凛美 いえいえ、全然です。真逆ではなくて、ひとりっ子なのは同じで、家族ぐるみで仲の良い友だちもいます。(鳴沢家の娘で2歳下の)友果と違って同い年で、幼稚園の頃から一緒で、今も気軽にごはんを食べに行く仲です。だから、想像しやすいところはありましたけど、私は実咲みたいに完璧ではなくて(笑)。

――凛美さんもクラスの人気者ではないですか?

凛美 みんなと満遍なく仲良しではあります。帰るときも特定の人を決めず、毎日いろいろなグループに「一緒にいい?」と混じっていて。だから、人づき合いは狭くはないかなと思います。嫌いな人は基本的にいないので。

――実咲はスポーツをやっていた設定ですが、凛美さんは運動は?

凛美 走るのとラケットを使わない球技は苦手で、アスレチックは小さいときから行っていたので得意です。

――ピアノを弾くのは、凛美さんの特技に合わせた設定だったり?

凛美 お金持ちの家の子というイメージなのかなと思いました。友果と連弾するシーンがあって、大島美優ちゃんと「難しかったらどうする?」と話していました。

――凛美さんの腕前はかなりのものですか?

凛美 今度の学校の合唱コンクールで、いつの間にか決まっていたんですけど伴奏することになりそうで、「練習してきて」と言われました(笑)。

家族ぐるみの付き合いは想像を膨らませて

――実咲を演じるに当たって、意識していることはありますか?

凛美 やっぱり友果との関係性ですね。家族ぐるみで仲良くて、お互いひとりっ子だから姉妹みたいで。今まで友果とどんなことをしてきたのか。どんな思い出があるのか。登下校のときに何を話していたのか。そういう想像を膨らませています。

――台本にない過去まで考えたわけですね。

凛美 お互いの家に何度も遊びに行って、家族2組で遠出もしていたのかなと、頭に光景が浮かぶようになりました。友果が誘拐されていたときはどれくらい心配だったかも、自分の友だちに置き換えて考えたりしました。

――お嬢様っぽさも出すようにしていますか?

凛美 それが意外と、活発な面のほうが強くて。衣装も私服はラフで派手な色を使って、ユルッとしたパンツだったり。普段から走っている役で、脚が速そうな格好もします。この前はベッドの上であぐらをかいていたり、結構男の子っぽくて、おしとやかではない感じです。

――むしろ元気さを出そうと?

凛美 そうですね。友果とYouTubeを観ながら盛り上がったり、結構おしゃべりなのも演じていて感じました。

展開が速くて映像になったらすごく楽しそう

――実咲を演じていて、難しいところもありますか?

凛美 とりあえず自分で想像してきたことをやってみるんですけど、監督が「もっとこうしてみよう」とこだわってくださる方で、現場で調整することが多いです。友果と会話を続けながら、その場で作ったり。

――父親役の松本幸四郎さんとは、自然に親子っぽくなりました?

凛美 初めてご一緒するシーンを撮ったとき、「初めまして」とごあいさつしたら、松本さんのほうからたくさん話してくださいました。距離を縮めていただいて、スタッフさんにも「本当のお父さんみたいだね」と言われて、ありがたかったです。

――実咲自身が誘拐されることになるようで。

凛美 鳴沢家や阿久津家での撮影から変わりました(笑)。観てくださっている方は、たぶん皆さん思うように、1話から展開がすごく速くて。台本もあっという間に読み終わって、「もうここまで行くの?」という感じです。台本でこれだけ面白いなら、映像になったらどれだけ楽しいんだろうと思うほどで、そんな作品に携わらせていただける嬉しさが、どんどんこみ上げてきます。

医者にもなりたかったけど役でできるなと(笑)

――子どもの頃から仕事をしていたんですよね?

凛美 4歳から、子どものお洋服のモデルをしていました。お母さんが事務所に入れてくれたので、最初は自分の想いはそんなになくて。現場は大人がいっぱいいるので怖かったです(笑)。オーディションに行っては大泣きして、それで受かるわけはなく、落ちてばかりいました。

――どこかの時点でやる気が出たんですか?

凛美 お仕事が初めて決まって、CMとかに出るようになると、みんなでワイワイして撮るのが楽しくなってきました。普段の自分ができないことをやれるのが面白いです。

――芸能界以外に、子どもの頃の夢はありませんでした?

凛美 いっぱいありました。幼稚園の頃は、よくあるお花屋さんやケーキ屋さん。小学生の頃は女優と書くときとお医者さんと書くときがありました。その頃、『ドクターX』にハマっていたので(笑)。他にも『コード・ブルー』とか医療ものが好きで、お医者さんに憧れましたけど、役でできるなと(笑)。

――女優になれば、何でもできますね。

凛美 もちろん人を助けることはしたかったんです。でも、役を通して誰かの助けにもなれますよね。医者の役だけでなく、キラキラした女の子の役で悩んでいる人を励ますこともできる。そう気づいてから夢は女優になって、中学1年生のときに今の事務所に入りました。

小学生時代はヘン顔ばかりしてたのが変わりました

――凛美さん自身、ドラマに助けられた経験があるんですか?

凛美 泣いたり笑ったりしながら共感できると、自分も頑張ろうと思えますし、いろいろな人生が描かれているのを観て、救われたこともたくさんあります。『コード・ブルー』でも、みんなで頑張って命を助けようとして、チームワークや仲間の大切さもわかりました。恋愛ドラマでも、私は失恋してなくても別の悩みと重なったりするので、いろいろなジャンルが好きです。

――女優の仕事を始めてから、性格が変わったりもしましたか?

凛美 お仕事をしたからかはわかりませんけど、小6と中1で結構変わった感じがします。小6までは、今では信じられないくらい活発だったんです。男子とよく遊んでいて、木登りや鬼ごっこをしたり、泥団子を作ったりしてました(笑)。授業でもよく意見を言って、今思うと、すごくおしゃべりでしたね。

――今の凛美さんは木登りするイメージはないですね(笑)。

凛美 『マイファミリー』で幼少期の写真を使うということで、昔のアルバムを見ていたら、おちゃらけてヘン顔ばかりしていました(笑)。動画もふざけて走り回っていたり、キャーキャー騒いでいたり(笑)。

――それが中学生になった途端、変わったと。

凛美 大人になったのかな(笑)。中学は受験して知ってる人が誰もいない環境に飛び込んだので、もともと人見知りはあったから、静かになった感じです。でも、お母さんには「家では昔と変わらない」と言われます(笑)。

大きい声を自然に出せるように練習してます

――『ニコラ』のモデルも務めていて、ファッションセンスもだいぶ磨かれたのでは?

凛美 そうですね。小学生の頃はお母さんが用意した服しか着なかったし、今見ると「何この組み合わせ?」という着方をしていました(笑)。「服なんていつも同じでいい」と思っていて、お買い物に行くのも面倒で、試着するのもイヤだったんです。それが今は、純粋にお洋服が好きになりました。「これはこの前着たから」って、毎日違うかわいい服を着たいと思っています(笑)。

――買い物で服を選ぶのも楽しいですか?

凛美 最近は選ぶのも早くなりました。前は雑誌をひっくり返して、よくわからないまま選んでいたのが、自分の好みや流行りを取り入れつつ、TPOに合わせて替えています。

――これから身に付けたいこともありますか?

凛美 大きい声です。最近ボイストレーニングに通い始めました。もともと声が小さいのがコンプレックスというか、レッスンやオーディションで大声を出す役はちょっと恥ずかしくて、どうしても苦手で。でも、『夜行観覧車』で杉咲花さんの叫び声や怒鳴り声がすごく通りがいいのを見て、自分もそういう声を出せるようになりたいと思ったんです。

――演技で声はすごく大切だと言われます。

凛美 私は学校の発表の場でも声が小さくなってしまうほどで、オーディションで緊張すると声が出なくなってしまって。堂々と演技をしたいんですけど、普段と違う声を出しても不自然になってしまうから、ナチュラルに大きい声を出せるように練習しています。これからお芝居に使っていきたいし、声優のお仕事もやってみたいです。

お母さんのお弁当が毎日の楽しみです

――中学生の頃は、身長を伸ばすことも頑張っていましたね。

凛美 言ってました(笑)? 今はむしろ、もう伸びたくないです。この前の身体測定では156.8cmでした。前は162cmまで行きたかったんですけど、今はバランスがいい体型になりたくて。ブカブカでユルッとしたコーデが好きなので、そういう服が合うこれくらいの身長がいいのかなと思います。

――今はどんなことをしているときが楽しいですか?

凛美 『マイファミリー』の撮影が楽しいのと、お休みの日は料理をするのにハマっています。春休みに目覚めて、ヘルシーでお腹もいっぱいになる料理をたくさん調べました。あと、食べることは相変わらず大好きです(笑)。

――食べてもスレンダーなスタイルもキープするようにしているわけですね。

凛美 たまには自分へのご褒美もあげています(笑)。でも、私はお母さんのお弁当をお昼に食べるのが、毎日の楽しみなんです。「今日は何かな?」と思いながら開けて、友だちに「お弁当をそんなに『おいしい』と言いながら食べる人は初めて見た」と言われます(笑)。本当にお母さんのごはんは世界一おいしいと思うので。

――そこまで言ってもらえたら、お母さんも作り甲斐がありますね。

凛美 普段から伝えています。外で食べるごはんもおいしいですけど、お母さんのごはんは小さい頃から食べてきて、私の好きな味を知ってもらっているので、最強ですね(笑)。

撮影/河野英喜

Profile

凛美(りみ)

2006年11月20日生まれ、東京都出身。

4歳でCMデビュー。2019年12月より『ニコラ』専属モデル。主な出演作はドラマ『女ともだち』、『にぶんのいち夫婦』、『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』など。『マイファミリー』(TBS系)に出演中。2023年2月公開の映画『仕掛人・藤枝梅安』に出演。

日曜劇場『マイファミリー』

TBS系/日曜21:00~

公式HP

TBS提供
TBS提供

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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