福岡堅樹引退で「穴にならない」。竹山晃暉はリーグワンでよい「動物」目指す?【ラグビー旬な一問一答】
埼玉パナソニックワイルドナイツの竹山晃暉は、同部所属で元ラグビー日本代表の福岡堅樹が引退したなか「個人としても堅樹さんの穴を埋めないと。穴にならないよう、頑張ります」と宣言する。
チームの前身、パナソニックは、今年5月までおこなわれた最後の国内トップリーグで優勝。今回の取材は8月30日にあり、その日は来年1月に発足するジャパンラグビーリーグワンへ向けた最初のチーム練習があった。
練習場の移転や新しい戦いへの意気込みを問われる流れで、自分たち選手を「動物みたいなもの」と表現。周りに見られる存在としての意識を保ちたいと誓った。
奈良の御所実業高校、帝京大学を経て2019年にパナソニック入り。おもなポジションはタッチライン際のウイングで、パスコースへ駆け込む角度やポジショニング、正確なゴールキックを持ち味とする。
デビューを果たした2020年1月からのシーズンが中断されたこともあり、2021年1月からのシーズンが終わると最優秀新人賞に輝いた。
以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。
――2022年1月からジャパンラグビーリーグワンが発足します。
「メンバーはまだ全員、揃っていませんが、ロビー(・ディーンズ監督)さんとも画面越しにミーティングをしました。『去年のトップリーグ優勝チームとして、新リーグのチャンピオンを目指していこう』と。去年できなかったことはこれから明確になると思いますが、さらに成長できたらと思っています」
――リーグワンはクラブの興行性、地域性を求めています。
「これは個人的な意見になりますし、コロナの感染者数が増えていることとのかかわりもあるとも思いますが、地域の子どもたちと何か交流できないかと(チームスタッフと)話しています。いまワイルドナイツを作っているのは僕たちですが、これからのワイルドナイツを継続させていくのは地域に住む子どもたちだと考えています。(普及活動の)きっかけを作れれば、自分も前向きに参加したいです」
――同じウイングで元日本代表の福岡堅樹選手が引退しました。
「堅樹さんがいなくなって弱くなったと言われないようにパナソニックのウイング全体として底上げしないといけない。個人としても堅樹さんの穴を埋めないと『やっぱり、(福岡が)いなかった(のが問題だった)な』という言い方をされると思う。堅樹さんがいなくなっても、違う僕の見せ方というものができればいいなと。穴にならないよう、頑張ります」
――改めて、本拠地が群馬県太田市から埼玉県熊谷市に移転。天然芝グラウンドの横には広大なジムのあるクラブハウス、室内練習場、地方チームなどが合宿で使えるホテルも併設されています。
「ラグビーをするにあたりいい環境を作ってもらえたと選手側としても思います。太田と同様、地域の方々が練習を見に来る機会がたくさんある。埼玉にワイルドナイツが来たことを知ってもらって、さらに地域の方々に応援してもらえるようになっていきたいです」
――クラブハウスでお気に入りの場所は。
「ロッカーです。ハンガーだけの人もいればタンスを入れる人もいて、それぞれの使い方がある。風呂場も気持ちがいいです。交代浴ができるのは選手としても嬉しいです」
――練習場は市民の方が見に来やすい構造になっています。
「僕はどちらかというと人に見てもらいたいタイプ。ラグビーを観てみたい、やってみたい人が気軽に観に来られる設計です。熊谷で試合がある時はホテルを使ってもらうこともできますし、様々な人が様々な使い方ができる。ワイルドナイツの選手としても、見てもらって何かを感じてもらえる取り組みができたらと思います。
飯島(均・ゼネラルマネージャー)さんが仰っていたのは『動物園みたいな施設を作りたい』ということ。多分、僕たちが動物になるのだろうなと思います。見られているという意味では、僕がこの辺で自転車通勤しているところも見られていると思う。選手1人ひとりの自覚をひと段階あげないと、地域の人には応援してもらえない」
得点への嗅覚と発信力を併せ持つ人気選手。次なるステージでどう輝くか。