科学者おすすめの理想的な「雪だるま」の作り方
今年は新年早々、おめでたい話題が宇宙から飛び込んできました。
地球から65億キロメートルも離れた天体「ウルティマ・トゥーレ」の画像が、元日にNASAの宇宙探査機ニューホライズンから送られてきたのです。これは探査機による太陽系探査史上最も遠い天体で、その天体名もずばり「世界の果て」を意味します。
しかもその形があまりにも意外で人々の関心を集めています。その形状とは、大小の球体が見事にくっついた雪だるま型だったのです。
この形になった理由はまだ定かではないものの、専門家は2つの天体が周回中に合体したのではないかと考えています。こんなにかわいらしい天体が宇宙に存在しているのかと思うと、気持ちがほっこりします。
雪だるまの理想条件
「ウルティマ・トゥーレ」はしっかりくっついてバランスが取れているように見えますが、本家本元の雪製の雪だるまにも、安定した形を作るための理想的な条件があるようです。
1. 湿った雪
米ブルーフィールド・ステート・カレッジのプルエット博士によると、気温は氷点下1℃あたりが最も雪だるま作りに適しているそうです。
この気温のもとではサラサラしすぎず、湿りすぎない、適度な水分を含んだ雪が降ります。そうなると水分がノリの役割を果たして、雪同士が付着しやすくなるのだそうです。
また粉雪の場合は雪の結晶が板状や柱状になるのに対し、湿った雪は樹枝状の結晶を伴い、雪同士がくっつきやすいともいわれています。
具体的にはどれくらい湿った雪がよいのでしょうか。米ロードアイランド・カレッジのスノーマン教授の研究によると、降雪量(雪が積もった時の深さ)と降水量(水に変わった時の深さ)の比が【5:1】の時が最も雪だるま作りに良いとのことです。
2. 雪だるまの形
さらに上述のプルエット博士は、雪だるまを長持ちさせる形状にも、ある条件があると述べています。
その形とは、高さ1.8メートル(6フィート)の3段で、雪玉の直径が小さい方からそれぞれ1フィート(30センチ)、2フィート(60センチ)、3フィート(90センチ)のようです。加えて雪だるまの下には少なくとも5センチの湿り雪があり、また平らであることが秘訣なのだとか。
雪だるまの世界記録
なおギネスブックに登録されている世界一大きな雪だるまの記録は37.21メートル(2008年アメリカ)で、1時間で作られた雪だるまの最多記録は2,036体、こちらは2015年に北海道・赤平町で達成されました。