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東京都心 次はいつ雪が降るのか?

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
1月6日、東京で積雪が10センチに達し、4年ぶりの大雪となった(写真:當舎慎悟/アフロ)

 大雪のあとも、東京都心の雪に関心が高い。過去、雪が降った日を調べてみると、2月18日が最も多かった。東京の雪シーズンはこれからで、来月4日頃と9日頃、東京に雪を降らせる南岸低気圧がやってきそうだ。

4年ぶりの大雪で

 今月(1月)初めの大雪の印象が強かったせいか、いつまた雪が降るのか、関心が高いようです。6日(木)は東京で積雪が10センチに達し、2018年1月以来、4年ぶりの大雪となりました。

 この4年間で、雪が積もった日はわずか一日だけ。多くの人が久しぶりに積もったと思ったことでしょう。まもなく立春ですが、まだまだ雪の降る日はあるだろうと思うのもうなずけます。

冬の終わりと東京の雪

 もともと、東京の雪は本州の南を通る低気圧によって降ることが多い。真冬の天気図は縦じま模様の冬型なので、低気圧が近づくことはありません。

上図は南岸低気圧、下図は冬型の気圧配置(気象人より、筆者加工)
上図は南岸低気圧、下図は冬型の気圧配置(気象人より、筆者加工)

 しかし、冬も終わりに近づくと冬型の気圧配置は途切れ途切れとなり、その合間を低気圧が通るようになります。これが南岸低気圧、東京の雪シーズン到来です。

2月前半が東京の雪ピーク

 東京ではいつ頃、雪がよく降るのか、調べてみました。こちらは1961年~2021年までの61年間で、日降雪量が1センチ以上の日を日ごとに数え、グラフにしたものです。

東京で雪が降った日(日降雪量1センチ以上)を日ごとに数えたグラフ:1961年~2021年(1月1日~3月31日)、筆者作成
東京で雪が降った日(日降雪量1センチ以上)を日ごとに数えたグラフ:1961年~2021年(1月1日~3月31日)、筆者作成

 1月1日~3月31日までの間、ダラダラと雪の日が続いているように見えますが、5日間移動平均(黄線)でみると、2月前半にピークがあることがわかります。

2月18日は雪が積もりやすい日

 さらに、もう少し詳しく調べてみました。この61年間で、日降雪量が1センチ以上となった日はのべ115日ありました。最も多かったのは2月18日の5回、次は1月21日や2月12日などの4回、そして1月13日や2月1日などの3回です。

1961年~2021年(1月1日~3月31日)で、東京で雪が降った日を多い方から並べた表(筆者作成)
1961年~2021年(1月1日~3月31日)で、東京で雪が降った日を多い方から並べた表(筆者作成)

 東京地方の大雪注意報は降雪量が5センチに達すると予想されるときに発表されます。上記のデータをさらに絞り込んで、日降雪量が5センチ以上とすると、のべ48日が該当しました。そのなかでも、2月18日は4回と最も多くなりました。この日は雪が降りやすいうえに、積もりやすい日でもあるようです。

来月、南岸低気圧の予想も

 次はいつ、雪が降りそうなのか、天気予報を10日先までみてみると、晴れの日が多く予想されています。しかし、来月4日頃と8日~9日頃は、低気圧が関東に近づく可能性があります。

【10日間天気予報】気象庁の週間天気予報に、ウェザーマップ予報を組み合わせたもの(1月30日午前11時現在)、筆者作成
【10日間天気予報】気象庁の週間天気予報に、ウェザーマップ予報を組み合わせたもの(1月30日午前11時現在)、筆者作成

 今はまだ、どの程度天気が崩れるのか、判断が難しいですが、海外の気象機関も同様の傾向を予測していることから、少々気がかりです。

【参考資料】

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF):Forecast charts and data

米環境予測センター(NCEP):Model Analyses and Guidance

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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