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【名湯】蛇ゆかりの温泉は縁起がよい?「ヘビ年に訪ねたい温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

あけましておめでとうございます。

2025年(令和7年)の干支は蛇(ヘビ)。古来、蛇は「復活と再生」の象徴とされ、富や繁栄をもたらす存在という言い伝えもあるとか。

「復活と再生」に効果的なのは温泉も同様だ。そこで今回は巳年にちなみ、蛇の開湯伝説が残る温泉地を5か所紹介したい。蛇にちなんだ温泉に入れば、2025年は幸運が訪れるかもしれません。

中山平温泉(宮城県)

鳴子温泉郷のひとつで、鳴子温泉から車で5分ほどの鳴子峡近くに湯煙を上げる。

「昔々、美しい姫をめぐって大ムカデと争った大蛇は大きな傷を負い、川で失神してしまった。川の流れに身を任せて浸っていると10日ほどで傷は癒えた。実は川の水は温泉だった。神の恵みに感謝した大蛇は、薬師如来に化身して各地で温泉の効能を伝えた」という伝説が残る。

中山平温泉の最大の特徴は、ぬるぬるすべすべとした肌触りの個性的な源泉で、通称「うなぎ湯」と呼ばれるが、開湯伝説と泉質を踏まえれば「蛇の湯」ともいえる。なお、「蛇のゆ湯吉」はキャンプ場を併設した温泉宿として営業している。

老神温泉(群馬県)

片品渓谷や吹割の滝などの観光名所からも近い、豊かな自然が魅力の温泉地。老神温泉には「蛇」による開湯伝説が残る。

「神域をめぐって争っていた日光の二荒山の神との戦いで矢傷を負った赤城山の神である大蛇が、老神付近まで逃げ帰ってきた。体に刺さっていた矢を地面に突き刺すと湯が湧出した」というのが老神温泉の開湯伝説。傷が癒えた大蛇は二荒山の神を追い返したことから「追い神」が転じて「老神」となったという。5月には「大蛇まつり」が行われ、大蛇の神輿が温泉街を練り歩く。

現在の温泉街には大小十数軒の宿が並ぶ。硫黄成分を含んだ源泉は本格派。かけ流しの湯船を提供する宿も多く、それぞれ源泉が微妙に異なるため、その違いを入り比べるのも楽しい。

川古温泉(群馬県)

みなかみ町の山中、赤谷川沿いにある温泉で、一軒宿「浜屋旅館」が立つ。「たくさんの蛇が集まっていたところを掘ってみると温泉が湧き出した」という伝説が残る。現在は40度弱の「ぬる湯」の名湯として知られ、足元湧出泉の湯船や開放的な景色が自慢の露天風呂などが温泉ファンに愛されている。今なお湯治場の風情を残す温泉である。

梅ヶ島温泉(静岡県)

南アルプスの麓、安倍川源流の河畔に湧く静かな温泉地。温泉街にある数軒の宿の湯船には、硫黄泉が注がれている。「江戸時代、病を患っていた皇族、良純親王が3匹の蛇に導かれて梅ヶ島温泉を訪れて病が回復したことから、親王がこの地に三蛇権現湯之神社を建てた」と伝わる。

蛇の湯温泉(東京都)

奥多摩の山深い地に湧く秘湯。茅葺屋根が目印の「たから荘」は、日本昔話の世界に出てきそうな築300年の宿。傷ついた大蛇が川原の湯で傷を治したので「蛇の湯」と呼ばれるようになったという。「東京」にいることを忘れてしまいそうな空間が魅力で、温泉につかりながら非日常の時間を体験できる。

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温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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