ひとり旅は孤独ではない「ソロ温泉が最高すぎる!」10の理由
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「ひとり旅は寂しい」という人は少なくない。しかし、ソロ温泉(ひとりでの温泉旅)の魅力にどっぷりはまってしまうと、逆に誰かといっしょに温泉に出かけることが億劫に感じてしまう。
もちろん、大事な人といっしょに出かける旅は思い出になる。旅先の感動を分かち合える相手がいるのも幸せなことである。誰かといっしょに行く温泉旅を否定するつもりはない。
それでも私は断然、ソロ温泉派である。ソロ温泉の魅力とメリットをまとめておこう。
①行き先を自分で決められる
誰かといっしょだと、行き先は相手の意見に左右される。どうしても声が大きい人の意見が通りがちだ。私のように相手に合わせてしまいがちで、声の小さい人の意見はたいてい通らない。温泉を堪能したいのに、温泉のない観光地に出かけることになったら、それこそみじめな思いをする。みんなが相手に気を遣った結果、誰も興味のない最大公約数的な観光地に落ち着くこともよくある。ソロ温泉は人生の主導権を自分の手でしっかりと握ることができる。
②自分のタイミングで出かけられる
複数人での旅は、スケジュール調整に苦労する。たいていは連休や週末に予定を合わせることになるが、かなり先の日程に落ち着くことも少なくない。「仕事が落ち着いたから明日、温泉に出かけよう」という気分のとき、フットワーク軽く動けるのはソロの強みである。
③相手に合わせる必要がない
ソロ温泉なら、旅先でどう動くかは自由だ。自分の責任で決められる。だが、いっしょに行く人がいれば、相手の希望や都合を聞かないわけにはいかない。自分は温泉に入りたいのに、相手の希望で興味のない観光スポットに付き合わされたら、どっと疲れてしまう。旅の間くらい、ふだんの人間関係から自由になって、好き放題に振る舞いたいものである。
④見栄を張る必要はない
誰かといっしょだと相手の目が気になったり、相手の価値観に合わせてしまうのは人間の性だ。本心では「温泉さえよければ、どんな簡素な宿でもいい」と思っているのに、誰かといっしょだと、それなりに気の利いた宿を選んでしまうことも。見栄を張らずに過ごせるのも、ソロ温泉の魅力である。
⑤温泉宿で自由に過ごせる
温泉旅館に複数人で宿泊すれば、たいていは同室でずっといっしょに過ごすことになる。一人になる時間はほとんどなく、ずっと緊張を強いられる。いくら気の置けない家族や友人でも、四六時中、同じ部屋でいっしょにいれば息もつまるもの。ひとりなら誰かに気を遣う必要もなく、自由に過ごせる。好きな時間に温泉に入って、眠くなったら惰眠を貪る。「せっかく温泉に来たのだから、だらだらと過ごしたい」という願望も叶う。
⑥好きな宿泊プランを選べる
宿泊にはさまざまなプランがある。高級旅館の2食付きプランで上げ膳据え膳の贅沢な時間を過ごすのもいいし、簡素な宿で素泊まりプランを選び、温泉街の居酒屋に飛び込んで地の物に舌鼓を打つのもいい。人それぞれ自分に合った旅のスタイルがある。誰かといっしょだと、自分にとって心地よい旅のスタイルを貫くことは困難になる。
⑦自分の時間をもてる
ソロ温泉の醍醐味のひとつは、ひとりの時間をもてることだ。現代人は会社や家、SNS上で人間関係に縛られがちである。もちろん、自分ひとりだけで生きていくことはできないが、たまには人間関係のしがらみから自由になって、自分を見つめ直す時間をもつことも大切である。
⑧早寝も夜更かしも自由
当たり前だが、誰かといっしょなら寝る時間も起床する時間も合わせる必要がある。だが、ひとりなら美味しいご飯を食べて、温泉に入って、そのまま寝落ちしてしまってもいい。逆にゆっくり本を読んだり、お酒を飲んだりして、夜更かしをするのも自由だ。普段叶わないことを実現するのも旅の愉しさのひとつである。
⑨いつ帰るかも自由
誰かといっしょの旅だと、帰路の直前まで「せっかくだから」と現地で思い切り旅を満喫して帰ることになりがちだ。だが、ひとりなら旅を切り上げるタイミングも自由。翌日の仕事が気になるなら早々に帰路についてもいい。反対に、温泉が気に入って帰りたくないなら、延泊するという選択肢もある。
⑩最後まで愉しく旅ができる
これは個人的な経験で、万人に当てはまるとはいえないが、誰かといっしょの旅は、最終日にぎくしゃくすることが多い。慣れない土地で気疲れするせいか、メンバーの誰かがイライラし始めることがよくある。そうなると、せっかくの旅が台なしである。ひとりならそんな心配も無用だ。「家に帰るまでが遠足だ」と子どものとき先生からよく言われたが、大人の旅も家に帰るまで愉しく過ごしたい。帰り道に寄り道をしたっていいし、疲れているなら電車の中で眠りながら帰ってもいい。最後まで自由を謳歌できるのが、ソロ温泉の醍醐味である。
このようにソロ温泉はさまざまなしがらみから解放され、自由になれるのが魅力なのだ。
※この記事は2023年7月31日発売された自著『こだわるから、とらわれない―温泉が教えてくれた心地いい生き方―』(ICE新書 外部リンク)から抜粋し転載しています。