豊島名人の桂は泣いてしまうのか? 竜王戦七番勝負第1局2日目
10月12日9時。東京都渋谷区・セルリアンタワー能楽堂において、竜王戦七番勝負第1局▲豊島将之名人(29)-△広瀬章人竜王(32)戦、2日目の対局が始まりました。
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77手目、豊島名人の封じ手は「地下鉄飛車」を実現する、飛車の一段目の移動でした。
前日、豊島名人の「桂頭の歩」から玉を遠ざけ、態勢を整えていた広瀬竜王は、満を持して攻めに出ます。広瀬竜王が打った桂は、豊島玉を上部から押さえる好位置に据えられました。桂のはたらきの分だけ、広瀬竜王がリードを奪ったようです。
1913年。▲阪田三吉七段-△関根金次郎八段(香落)の対局で、攻めに出た阪田の銀が相手をされずに放置され、立ち往生したことがありました。阪田はのちにそのことを「銀が泣いている」と表現しました。
阪田の銀はしばらく放っておかれましたが、後に活躍の場を得ました。結果は阪田の勝ちとなっています。
▲豊島名人-△広瀬竜王戦。広瀬竜王は自玉を安全にした後で、豊島名人の桂を悠々と取りました。この先、もし広瀬竜王がリードを保って勝利を収めるのであれば、豊島名人の桂を泣かせたとも言えるでしょう。もし豊島名人が盛り返すことがあれば、桂は十分に働きを得たことになります。
13時30分、対局が再開されました。95手目、豊島名人は自玉を守るため、辛抱の歩を打ちます。対して、今度は広瀬竜王が香を捨てて決めに出ました。
勝負の行方は、まだわかりません。通例であれば、決着は夜頃となります。