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6月23日放映NHK杯1回戦、木村一基九段-西山朋佳女流三冠 勝者は2回戦で藤井聡太七冠と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 6月23日。第74回NHK杯テレビ将棋トーナメント1回戦、木村一基九段-西山朋佳女流三冠戦が放映されます。

 木村九段は「千駄ヶ谷の受け師」と呼ばれる通り、正確で強靭な受けが特長的な居飛車党。対して西山女流三冠は「豪腕」と呼ばれる力強い棋風の振り飛車党です。

 本局の勝者は2回戦で藤井聡太七冠と対戦します。本局も注目の一番ですが、次戦もまた注目の将棋ファン必見の一局となりそうです。

 木村九段は1993年6月23日生まれ。本局の放映日に51回目の誕生日を迎えました。

 各棋戦でコンスタントに上位に勝ち進んできた木村九段。NHK杯では過去に26回本戦に出場し、そのうち4回でベスト8に進んでいます。2020年度には藤井二冠(現七冠)に勝利をあげたのは、記憶に新しい方もおられるのではないでしょうか。

 西山朋佳女流三冠は1995年6月27日生まれで、現在28歳です。

 現在の女流棋界は西山女流三冠と福間香奈女流五冠の「二強」時代と呼ばれています。ここ最近のNHK杯では、両者のいずれかが出場しています。

 今年の出場者決定戦も両者が対戦しました。棋譜は公式ページで公開されています。

 福間女流五冠先手で、両者ともに中飛車を選んで相振り飛車に。結果は116手で西山女流三冠の勝ちとなりました。

 西山女流三冠はNHK杯本戦出場は3回目になります。2021年度は佐々木慎七段、22年度は八代弥七段に敗れています。

 今回もまた強敵が相手ですが、NHK杯本戦での初勝利なるでしょうか。

西山女流三冠、棋士編入試験の受験資格取得なるか

 西山女流三冠は一般公式戦で棋士を相手に、白星を重ねています。棋聖戦一次予選では石田直裕五段と高橋道雄九段に勝ちました。

 直近の成績は11勝7敗(勝率0.611)です。

 あと2勝して13勝7敗(勝率0.650)となれば規定により、棋士編入試験の受験資格を取得します。

 朝日杯一次予選では1回戦で阿部光瑠七段と対戦。勝てば2回戦で佐々木大地七段と対戦します。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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