世界最初の『5Gサービス』は韓国でなく米国に。韓国も前倒しで同日『5G』をスタート
KNNポール神田です。
■『5G世界初』の実績のためのフライングのVerizon
韓国勢は、数日だけでも、世界初の『5G』サービス開始というニュースを独占できる心づもりでいたはずだ。しかし、米Verizonの一週間も前倒しで突如のサービス開始を宣言。
韓国3社(SKテレコム、KT、LG)は寝耳に水で、慌てて、同日中に開始し、世界初の『5G』サービス開始の面目を保った。後からサービスを開始しても、時差の関係で韓国勢には有利で、タイムスタンプ的には世界で最初の面目は保てたことだろう。
何よりも、Verizonが、発表日の一週間前の突如の掟破りでも、世界最初のサービス開始を得たかったのは何なのだろう。しかも、イリノイ州シカゴとミネソタ州ミネアポリスとだけであり、5G端末も限られている。まだまだ開始とはいえ、継続的な試験段階としか呼べない。
■『世界で一番最初に5Gサービスを提供したVerizon』
おそらく、米国内でのポジショントークとして、『世界で一番最初に5Gサービスを提供したVerizon』を言い続けるためだろう。『米国ではじめて』では、インパクトが弱い。一週間早めたことによって、それが得られるのであれば、多少の批判はあれど、やるべきと判断したのだろう。しかし、それにすぐに対抗して、その日(2019年4月3日)に始めたことにしてしまう韓国勢も『世界初』ブランド面目を保つことに対して意欲的だ。こちらは4月5日の予定で、2日前だったから、記念すべきイベントやプレス発表などすべて台無しにされた形だ。
むしろ、5Gサービスは、今までと大きく変化が起きるのでサービス提供と端末対応で普及にも時間とコストが多大にかかる。しかし、それらの普及したことによって、『スマートフォン』という『電話』派生からの概念が大きく変化することだろう。
しかし、これだけ、世界初の面目にひた走る韓国と米国と比較して、わが国は非常にのんびりしているとしか言えない。
2019年4月10日(水)に総務省は第1弾の「5G」の電波を割り当てる方針である。そう、まだ、電波の割当さえ決まっていないのだから5Gに関しては一年以上の出遅れとなるのは見えている。
■次世代5G対応、1年の遅れが命取りとなる日本
Wi-Fiスポットではなく5Gエリアでしか提供できない次世代の産業がそこには眠っているからだ。
ギガを気にして節約するWi-Fiエリアから、スピードを気にして外へ飛び出す5Gエリアへと変化することだろう。いざという時のWi-Fiではなく、いざというときには、通信キャリアの5Gの高速有料道路を走るという選択肢が増えるのだ。その『体験値』が世界よりも1年も遅れてやってくるということは、次世代の産業に参入できないという参入障壁でもある。これは国策として非常に大きな問題だ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20190228-00116444/