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黄金ルーキー田中正義は意外としたたか!? 「見出しになる」推理小説を持参して入寮

田尻耕太郎スポーツライター
入寮後に、自身の名札の前で笑顔の田中正義投手

ソフトバンク新人全員が入寮

8日、ソフトバンクの新人選手たちが福岡県筑後市の「若鷹寮」に入寮を済ませた。いよいよ本格的なプロ生活のスタートである。

翌日からは新人合同自主トレもスタートする。ここから毎日、彼らは取材ラッシュをけることになる、

ドラフト1位入団の田中正義はなおさらだ。

入寮日恒例の取材に満点回答

持参の小説を手に撮影にも臨んだ
持参の小説を手に撮影にも臨んだ

入寮日。もはや恒例の質問は「新生活にあたり、何を持ってきたのか?」だ。田中は待ってましたとばかりに、すらすらと言葉を並べてみせた。

「本を持ってきました。『シャーロック・ホームズ』のシリーズを。高校の頃、姉にもらったのをきっかけに読み始めて、今回入寮するにあたって姉が買い揃えてくれてプレゼントしてくれました」

決して読書家タイプではないというが、「ホームズのキャラが好き」と理由を挙げた。そして次の言葉が興味深くもあり、なにより驚かされた。

「あれくらいの洞察力…と言ったら(新聞の)見出しになりますよね。でも、あの洞察力があったらいいなと思います。スイッチが入った時の集中力? それもそうですね」

と、自らを囲む記者陣を手玉に取るようにコメントすると、少しはにかんでみせた。

生真面目さを残しつつ、発信力にも期待

正直、意外だった。

田中と会ったのは昨年12月の入団発表以来2度目だが、その時の印象も、周りの誰の声を聞いても「とにかく生真面目な男」という言葉しか出てこない。取材でも言葉を慎重に選ぶ。早口でヘラヘラ笑いながらという姿は見たことがない。

この日も確かに「生真面目さ」を十分に感じさせながらの取材対応だったが、黄金ルーキーの意外な一面に触れることが出来た。

これから『プロ』になる以上、情報発信力もその選手の力量のひとつ。最速156キロを誇り「沢村賞を獲れる投手になりたい」と夢を語る剛腕は野球ファンを楽しませてくれる存在になりそうだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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