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47の州や地域は18歳以上の3割以上が肥満判定…アメリカ合衆国の肥満動向最新情報

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
肥満体質は健康にはマイナス。気になる人も多いはずだが(写真:アフロ)

肥満の18歳以上が3割以上いるのは47の州・地域

食生活などの影響で肥満体型の人が多いアメリカ合衆国。その実情を同国の医療保健関連の公的機関CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病予防管理センター)の部局BRFSS(Behavioral Risk Factor Surveillance System)の公開値から確認する。

まず図中で使われる「BMI」について。これは「肥満」度合いを示す基準の一つで「体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)」で算出される。日本肥満学会ではBMIが22.0で平均的体格・体重、25.0以上を太り気味、18.0以下をやせ気味としている。今件データを用いるアメリカ合衆国では

・Underweight(やせ型)…18.5未満

・Normal weight(標準)…18.5~24.9

・Overweight(過体重)…25.0~29.9

・Obesity(肥満)…30.0以上

と区分している。

次の図は、アメリカ合衆国各州などにおける成人男女(今件では18歳以上基準)のBMI値について、30.0以上の人、つまり肥満判定を受けている人の割合を示したもの。例えばWest Virginia州は41.0%とあるので、大人の4割強が「肥満」判定を受けていることになる。

↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者比率(BMI30.0以上、CDC・BRFSS、州・地域別)(2022年)
↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者比率(BMI30.0以上、CDC・BRFSS、州・地域別)(2022年)

30%以上の州を薄い赤で色分けしたが、この領域に該当するのは全部で47の州や地域(全土の中央値除く)。最大値を示すWest Virginia州は41.0%、次いでLouisiana州が40.1%、Oklahoma州が40.0%と続いている(以上、40%以上の州・地域)。「肥満大国アメリカ合衆国」との俗名に恥じないデータではある。全土(自治的地域含む)の中央値は33.6%で、国全体としても30%超え。最低の値を示すColorado州でも25.0%。4人に1人が肥満状態にある。

肥満以外の人の実情

肥満以外の判定を受けた人を含む割合の実情を精査した結果が次のグラフ。

↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者などの比率区分(CDC・BRFSS、州・地域別)(2022年)
↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者などの比率区分(CDC・BRFSS、州・地域別)(2022年)

アメリカ合衆国全土では34.3%が「肥満」、34.2%が「過体重」。「標準」は29.6%、「やせ型」は1.9%にとどまっている。

州によっては肥満判定者が多いにもかかわらず「標準」や「やせ型」の割合も多いところもあるが、概して「肥満」と「過体重」の合計が6割台から7割台を維持しているのが分かる。つまり「肥満」の少ない州でも多分に「過体重」の比率が高く、おおよそ「標準」+「やせ型」の比率が一定(3-4割程度)にとどまっている。「標準」「やせ型」の合計が4割を超えているのは1地域のみ。5割超えは皆無。

ここまで肥満者が増えた原因は多様におよび、一概に「これのみが原因」と言い切ることはできない。基本的な生活様式に加え、食生活の改善と変化、交通機関の整備、社会生活そのものの変移、さらには現在多数の人が対象となっているSNAP(Supplemental Nutrition Assistance Program:補助栄養援助プログラム、旧フードスタンプ)が一因との考え方もある。さらにデータを取得した肥満に係わるページのデータベースでは、今件データの他に果物・野菜の摂取量などに関するデータも併記されており、これらの多い少ないが肥満と浅からぬ関係を有していると考えられているようだ。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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