北欧コーヒー業界より最新情報/噂の大会「バリスタ・リーグ」って?コーヒーを楽しもう
北欧で今、新しいコーヒーイベントが注目を集めている。その名も「バリスタ・リーグ」(Barista League)。噂には聞いていたのだが、これまで実態がわからず、今回初のイベントがノルウェーの首都オスロで開催された。
コーヒー競技会やイベントといえば、すでに世界中にいくつもあるのだが、バリスタ・リーグがとことんこだわっていることがある。それは、「競争」ではなく、「楽しむ」ことだと、主催者であるスティーヴン・マローニさんは語る。マローニさんは、オーストラリア出身でスウェーデン在住、ロースター da Matteoで働いている。
細かい競技ルールや競争よりも、コーヒーコミュニティの人が楽しむための集まりがしたかった。結果、マローニさんたちは、2015年に最初のバリスタ・リーグをスウェーデンで開催。その後、会場は移動しながら、2016年に5回行われ、今年は4回のイベントを予定している。国は北欧が中心だが、国籍は関係なく、誰もが参加できる。
イベントが開催される1晩の間に、様々な器具でコーヒーを淹れるなど、3ラウンドで各チームが競う。翌日には、現地のカフェでカッピングやトークショーなどを行う。
「スウェーデンでは、地理的に離れていると、異なるカフェ間での交流が少なかった。業界仲間で交流できるような場所が欲しいと思っていたのです。誰が優勝するかよりも、一緒に楽しい時間を過ごせるような。ここでは、真面目に、でもリラックスすることができるのではないでしょうか」とマローニさんは語る。
バリスタは時給も低いため、金銭的な負担にならないように、参加費は無料。代わりにスポンサーを探すなどしてイベントを運営している。
今回オスロでの大会では、12企業のカフェやロースタリー、生豆業者が参加。ポーランド、日本、ノルウェー、スウェーデンなど、7か国からの参加者が集まり、2人1チームで合計13チームが競技に挑んだ。現地の関係者も集まり、会場はわいわいと賑やかだった。
主催者の言ったように、確かに参加者はリラックスして、楽しそうだった。今回優勝したのは、オスロのカフェロースタリーNordのバリスタ2人組、リーセ・ルーモさんとイーダ・ヤンソンさん。競技開始前に、ヤンソンさんに、「どういうルールなの?」と筆者が聞くと、「私もよくわからないで参加してるのー!」と笑顔で答えていた。審査員もビールを飲みながら試飲していたりと、現場は多少カオス状態。競技会というよりは、関係者が交流を深めるための、新しい形のコミュニティであり、パーティーのようだった。
この大会、今後噂が広まって、規模が拡大していきそうだ。
Photo&Text: Asaki Abumi