阪神鉄壁のリリーフ陣、JFKと遜色なく枚数は豊富
貯金11で首位に立つ阪神。
16日の中日戦、今季35試合目で秋山がチーム初となる完投をしたように、これまではリリーフ陣が快進撃を支えている。
鉄壁のリリーフ陣の成績は
ドリス 20回 2敗1ホールド16セーブ 防御率1.80
マテオ 18回 2勝12ホールド 防御率2.00
桑原 17回2/3 2勝9ホールド 防御率1.02
3人を合計すると55回2/3で14失点、奪三振数はイニング数を大きく上回る67個。最も確実な方法でアウトを稼いでいる。
近年はリリーフ陣の差が順位に直結することが実に多い。その流れを作ったのが2005年の阪神だ。ウィリアムス、藤川、久保田の3人が終盤のイニングを支配し、6回終了時にリードを奪えっていれば、勝率は9割超え。この年、最強リリーフ陣の援護を受けた下柳は規定投球回未満で最多勝に輝き、後に楽天監督時代の野村克也に「野球はいつから6イニングになったんだ?」と言わしめた。
野球を統計学の視点から分析するセイバーメトリクスにはFIPという指標がある。計算式は
13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回+3.12
参照している成績は、野手の守備力に左右されない被本塁打、奪三振、与四死球のみ。投手のコントロール出来る範囲とそうでない範囲を分けて、投手がコントロール出来る範囲だけで評価をするものだ。これは防御率と近い数値になることから擬似防御率と考えることも出来る。
ドリス、マテオ、桑原の成績を合計したFIPは2.20。2005年のウィリアムス、藤川、久保田の成績を合計したFIPは2.16だからわずかに及ばない。しかし、高橋、岩崎の両左腕を加えると2.17と限りなく数値は近くなる。つまり、今季の阪神リリーフ陣の力量はJFKと遜色なく、枚数は豊富。このストロングポイントが消えない限り、首位の座を簡単に明け渡すことは無さそうだ。