「子育ての負担は社会全体で支える」が92% 内閣府世論調査
子育ての負担を社会全体で支えるべきだと考える人が9割を超えることが、内閣府が10日18日に公表した世論調査で分かりました。
調査は平成26年8月21日~8月31日、全国の20歳以上の3,000人を対象に面接で行いました(回収率60.9%)。人口減や少子高齢化のほか、地域創生を重要政策に掲げる安倍政権の方針を受け、地域社会の将来像などをたずねています。
子育てに係る負担のあり方
調査では「子どもを産み、育てることの負担は社会全体で支えるべきだ」とする考え方に賛成する人は、「どちらかと言えば賛成」を含めて92.3%にのぼっています。子育て世代の20~39歳と孫をもつ世代である60歳以上で60%を超えています。男女別では女性が59.4%で、男性(56.9%)を上回っています。反対は「どちらかと言えば反対」を含めて5.9%でした。
少子化対策で特に期待する政策
行政が行う少子化対策に関して、特に期待する政策はどのようなものか聞いたところ、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」を挙げた者の割合が56.0%と最も高く、次いで「子育て・教育における経済的負担の軽減」(46.6%)、「子育てのための安心、安全な環境整備」(43.6%)、「生命の大切さ,家庭の大切さといった価値の伝授」(40.9%)、「子育て世代の所得・雇用環境の改善」(40.3%)、「地域における子育て支援」(37.8%)、「妊娠・出産の支援」(37.2%)などの順となっていました。
都市規模別に見ると、「子育てのための安心、安全な環境整備」を挙げた者の割合は大都市で高くなっています。性別に見ると、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」、「子育てのための安心,安全な環境整備」、「生命の大切さ、家庭の大切さといった価値の伝授」、「地域における子育て支援」を挙げた者の割合は女性で高くなっています。
年齢別に見ると、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」、「子育て・教育における経済的負担の軽減」を挙げた者の割合は30歳代、40歳代で、「生命の大切さ、家庭の大切さといった価値の伝授」を挙げた者の割合は60歳代で、「子育て世代の所得・雇用環境の改善」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、「地域における子育て支援」を挙げた者の割合は30歳代で、「妊娠・出産の支援」を挙げた者の割合は20歳代から40歳代で、それぞれ高くなっていました。
人口減少に対する意識
人口減を「望ましくない」と答えたのは94.3%。そのうえで「増加するよう努力すべき」(33.1%)、「減少幅が小さくなるよう努力すべき」(23.5%)、「現在程度の人口を維持すべき」(18.6%)と続いています。「望ましくないが、仕方がない」との答えも19.1%ありました。「望ましい」は2.3%でした。
少子化が与える影響
少子化が与えるマイナスの影響で特に重要だと思うことは何か聞いたところ、「年金や医療費の負担など、社会保障に与える影響について」を挙げた者の割合が72.0%と最も高く、次いで「労働力人口の減少など、経済活力に与える影響について」(53.1%)、「子育てに対する負担や社会支援のあり方など、家庭生活に与える影響について」(37.3%)、「過疎化の一層の進行など,社会の活力に与える影響について」(35.3%)などの順となっています。
都市規模別に見ると、「過疎化の一層の進行など、社会の活力に与える影響について」を挙げた者の割合は小都市で高くなっている。性別に見ると、「子育てに対する負担や社会支援のあり方など、家庭生活に与える影響について」を挙げた者の割合は女性で高くなっています。
世論調査の結果をうけて
「子育ての負担は社会全体で支える」が92%、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」が56.0%と高い数字が出ています。
今こそ、子育てを社会全体で支える仕組みを整え、仕事と家庭が両立できるような環境整備、男性も女性も仕事と生活が調和できる社会(ワーク・ライフ・バランス)を実現させていくことが急務なのではないでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●参考資料
人口,経済社会等の日本の将来像に関する世論調査
平成26年10月
内閣府大臣官房政府広報室