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最も価値ある1試合3本塁打!? 最初の2本は同点ホームラン、3本目は逆転ホームラン

宇根夏樹ベースボール・ライター
シェイ・ランガリアーズとヨナ・ハイム(捕手)Apr 9, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月9日、シェイ・ランガリアーズ(オークランド・アスレティックス)は、3本のホームランを打った。

 アスレティックスのゲーム・ノーツによると、1試合3本塁打は、アスレティックス史上延べ30人目、オークランドへ移転した1968年以降は延べ18人目。アスレティックスの捕手では、1925年5月21日のミッキー・カクレインに続く2人目だという。

 ア・リーグとナ・リーグで1試合に3本以上のホームランを打った選手は、4本塁打の18人を含め、延べ650人以上を数える。今シーズンは、4月2日のブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)が1人目、ランガリアーズは2人目だ。

 ただ、オプタ・スタッツは、9回に決勝点となるホームランを打ち、3本ともチームのビハインドを帳消しにしたのは、ランガリアーズがメジャーリーグ史上初、と謳っている。

 ランガリアーズの3本塁打は、0対1の2回表にソロ、1対2の7回表にソロ、2対3の9回表に2ラン。1本目と2本目は同点ホームラン、3本目は逆転ホームランだ。アスレティックスは、4対3で勝利を収めた。

 ちなみに、ハーパーの1試合3本塁打――2015年5月6日に続く2度目――は、0対0からのソロと1対1からのソロに、4対1からのグランドスラムだった。

 ランガリアーズは、26歳の捕手だ。2019年のドラフトで、アトランタ・ブレーブスに全体9位指名を受け、2022年3月のトレードで、マット・オルソンの交換要員として、他3人とともにブレーブスからアスレティックスへ移籍した。メジャーリーグ2年目の昨シーズンは、打率と出塁率こそ.205と.268ながら、22本のホームランを打った。

 今のところは、次代のアスレティックスを担う選手の一人、あるいはその候補の一人、と言っていいだろう。もっとも、アスレティックスの浮上がいつになるのかは、見通せない。次代の中心となる選手を得るためのトレードで、放出される可能性も――今夏ということはないだろうが――ありそうな気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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