【5歳児】夜になると『死ぬのが怖い』と言います。なんと声かけしたらよい?
5歳の娘が時々夜寝る前になると死ぬのが怖いと言います。
大丈夫だよ、眠ったら明日になってるから、と話して安心させたり、楽しみなことに話題を切り替えてみたりしていますが、何と声かけしたらいいのかなあと困っています。
ご相談いただきありがとうございます!
実は私も幼いころ、
死ぬのが怖い
ママやパパやきょうだいが死んじゃって、もう会えなくなったらどうしよう
こんな風に考えて夜、しくしく布団の中で泣いていました。
5歳、という年齢は死について理解できるようになってくる年頃です。
(早い子では、4歳ごろから『死』について認識し、意識するようになってくる場合もあります)
つまり、『死』を認識し、怖がることができるというのは、娘さんの発達が健全な証拠でもあります。
そうはいっても、まだ生まれて数年しかたっていない幼いわが子が、死を怖がっている姿を見るのは心が痛いですよね。
この記事では、子どもにとって『死』がどんな意味をもっているのかや、親としての具体的な対応方法について解説しています。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
どうして『死』が怖いのか
子どもが『死』を怖がる理由には以下のようなものがあります。
・『死』に対して、血や痛み、苦しみを伴うものというイメージがある
・体験したことのない未知の存在である
・死んだらもう大好きなママやパパ、きょうだい、お友だちに会えない
・死んでしまった後の世界に恐ろしいイメージを持っている(地獄など)
大人でも、『死』に対してほとんどの人が恐怖を感じることでしょう。
ただ、大人と子どもの違いは、実際に『死』がどの程度身近にあるのかある程度予測できること、死について恐ろしくなったとしても、別の悩みや問題があるために死の恐怖のみに支配されないことにあるのではないでしょうか。
『死』に対して恐怖を感じるのは、一種の危機管理能力
『死』は誰にでも訪れるものですが、その回数は平等に1回です。
その1回を予期せぬ形で迎えないために、未知の存在への恐怖心は人が生きていく上で必要な心の動きだといえます。
・こんな高いところから落ちたら死んでしまうかもしれない
・変なにおいのする液体だから、飲んだら命が危ないかもしれない
・車にぶつかったら、ただじゃ済まないだろう
こういった日常の中の危険を避けるために、『死』に対する恐怖は生じます。
寝る前に『死』が怖いと泣いたら…乳幼児に対しては【絶対大丈夫】と言い切ってよい
まずは優しく抱きしめて、子どもの不安に寄り添いましょう。
そっか、怖いんだね
不安なんだね
と気持ちに対する共感と理解を示します。
そして、どうして怖いんだろう?と聞いてみます。
痛いのが怖い、苦しむのがイヤだ、ママやパパに会えなくなるのがイヤだ
いろいろな返答があると思います。
そうしたら、解消できそうな恐怖については解消してあげましょう。
・お布団の中には、痛いものはないから大丈夫だよ
・ママやパパがちゃんと守るから、任せておいて
こういった具合にですね。
その上で、
でも○○ちゃん/○○くんは絶対大丈夫!
まだまだ死なないし、明日も楽しいことがいっぱい待ってるからね
と言ってあげましょう。
絶対とか言っていいの?と思われる方もいるかもしれませんが、子ども、特にまだ幼い子どもに対しては言い切ってよいです。
実際、日本の乳児死亡率は2020年の統計で1.8人(1000人当たりの死亡数)、出生から5歳までの間に死亡する確率は、2020年の統計で2.3人(1000人当たりの死亡数)です。
痛ましい事例は0ではないものの、現代日本に暮らしている限り乳幼児の間に死に至るケースは多くないということがわかります。
むしろ、この年頃の子に死の現実をつきつけるようなことを言ってしまうと、幼い心に大きな傷をつけてしまいます。
落ち着いているときにしておくと、『死』への恐怖がやわらぐこと3選
1.具体的に危険な状況をどう切り抜けるか一緒に考える
日中落ち着いているときに具体的に危険な状況をピックアップし、子どもと一緒にどうすれば死をさけられるか話しておくとよいでしょう。
・車にぶつからないように、道を渡るときは気をつける
・何かをしながら歩いたら危ないから、ちゃんと周りを見て歩く
・水辺に子どもだけで行かないようにする
・知らない人にはついていかない、ひとりにならない
・お迎えを待つときは、絶対に学童(保育園)の中にいる
・上からモノが落ちてこないような、開けた場所をなるべく通る
・栄養バランスを考えて、ごはんをしっかりモリモリ食べる
・体調が悪いなと思ったらすぐに大人に伝える
こういった形で、子どもが心配しそうな死因べつに対応策を考えておくと、子どもにとっては安心のもとになるでしょう。
大人にとっては当たり前のことでも、子どもにとっては言われなければわかりません。
2.『死』に関する本を読み聞かせる
『死』に関する子ども向けの絵本を読み聞かせるのもオススメです。
・ヨシタケシンスケ 『このあと どうしちゃおう』
・マーガレット・ワイルド 『ぶたばあちゃん』
・ユッタ・バウアー 『いつも誰かが』
・西本鶏介 『おじいちゃんの ごくらく ごくらく』
・スーザン・バーレイ 『わすれられないおくりもの』
・レオ・バスカーリア 『葉っぱのフレディ いのちの旅』
購入しなくても、図書館で借りて読んでもよいと思います。
ぜひお子さんと一緒に読んでみてください。
3.生きていることに目を向け、死ぬまでにやりたいことを一緒にリストアップする
誰でも、永遠に生きることはできません。
今自分たちは生きているということに目を向けて、死ぬまでにやりたいことを一緒にリストアップしていくとよいでしょう。
・世界の全部の国に行く
・テーマパークを貸し切って泊まる
・おおきな山に登る
・お菓子の家を作る
こんな風に、『難しいな』と思うことでもリストに入れて大丈夫です。
人の頭は、同時に違うことを考えられないようにできています。
つまり、楽しいことやワクワクしたことを考えながら死に対する恐怖におののくことはできないのです。
生きている今を一生懸命に、楽しもう!というメッセージをぜひ伝えていってください。
死はこの世界の自然な流れである
この世にいる生物はすべて、死を避けることができません。
宇宙、地球といった大きな枠組みでみたときに、死というものはひとつの生き物の変化にすぎません。
この世界に生まれた瞬間すべての生き物が死に向かっていっています。
いつかは訪れる、だれにでも訪れるものなので、過剰に怖がらず、生きている今を全力で楽しめるとよいな、と思っています。
子どもが『死』を理解、意識しつつも過剰に怖がらないで済むよう、ぜひ実践してみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。