HSPは要注意!ホルモンバランスと「自律神経失調症」の関連性について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
「自律神経失調症」とは、交感神経と副交感神経がバランスを崩した状態になった時に起こります。
自律神経は体内の臓器や器官が円滑に働くように、常時コントロールをしてくれているのですが、そのバランスが崩れてしまうと、全身のいたる所にさまざまな症状が表れ始めます。
では、何が原因となって自律神経はバランスを崩すのでしょうか?
一つは、その人が生まれ持っている体質や気質が大きく影響していると考えられます。
特に生まれながらにして繊細な気質を持っているHSPの場合は、些細なことで自律神経が乱れやすく自律神経失調症になりやすい傾向があると言えます。
また、性格やその時の精神状態、環境、ホルモンバランス、心理的・社会的ストレスなども発症に影響するため、その時々に応じて、柔軟な対応をすることで心身のバランスを保つ心がけが必要です。
原因不明の不快症状には要注意!
主として交感神経は昼間に優位になり、副交感神経は夜間に優位になるのですが、そのリズムが狂うと自律神経症状が表れることがあります。
表れやすい症状としては以下の通りです。
・疲れやすく、体がだるい
・不安で仕方がない
・無気力になる
・よく眠れず、寝起きが悪い
・フラフラとめまいがする
・気分が落ち込みやすい
・動悸が激しくなる
・頭痛や肩こりに悩まされる
自律神経のバランスが崩れてしまうと、倦怠感、めまい、不眠、食欲不振などの全身症状が特に表れやすくなります。
また、肩こり、頭痛、耳鳴り、便秘などの部分症状や不安感、イライラ、憂うつなどの心の症状が表れることがよくあります。
しかも、これらの症状が一度に重なることも多いようですので、原因不明な不快症状が表れた時は特に注意が必要です。
「自律神経失調症」は女性ホルモンの影響を受けやすい?
女性のHSP気質を持つ方の多くは、ホルモンバランスの影響に敏感な傾向があるように感じられます。
たとえば、月経前症候群や月経痛、更年期障害など心身ともに大きな影響を受けやすい気質と体質があるのではないかと思います。
女性の体に大きな影響をもたらす女性ホルモンのバランスが崩れると、自律神経失調症にかかりやすくなります。
なぜなら、女性ホルモンと自律神経が、どちらも脳の視床下部という本能の中枢として機能している場所でコントロールされているためだと考えられているからです。
女性ホルモンの分泌に際立った変化が起こるのは、初潮の始まる思春期、妊娠・出産を経験する20~30歳代、そして閉経を迎える更年期です。
女性ホルモンの影響による不快な症状としては以下の通りです。
・月経等にともなうおなかの痛み
・腰の痛み
・気分の落ち込み
・イライラ
・のぼせ。冷え
・たちくらみ
・頭痛
・動悸
・倦怠感
ストレスに弱い女性ほど月経前症候群になりやすい?
月経前、なんとなく無気力になったり、憂うつになって落ち込んだり、そうかと思えばイライラして落ち着かなかったり…、女性なら必ずと言っていいほど、このようなしんどい状況を経験しているのではないでしょうか。
なぜそのような症状が表れるのかというと、月経の時には通常とは異なる女性ホルモンの分泌が起こるからです。
自律神経はどちらも同じ間脳の視床下部で調節が行われているため、女性ホルモンの分泌の変化は自律神経の調節に影響を与え、憂うつになったりイライラしたりといった精神症状を引き起こすのです。
これらの症状は、月経が終われば改善され、次の月経周期がくると再び表れます。
ストレスに弱い体質や性格の女性ほど心身の症状が強くでるようですので、月経前にはリラックスを心がけたり、冷え対策をしてみたりなど、体を守るようにしましょう。
自律神経の乱れを調整する「自律訓練法」でリラックス
私たちの心身は、日常的にさまざまなストレスによる影響を受け、自律神経のバランスが乱れてしまいがちです。
そのようなストレスと上手に付き合っていくためには、心身をリラックスさせる方法が必要です。
ここでは、自律神経失調症の心理療法の一つである「自律訓練法」について紹介したいと思います。
訓練は腹式呼吸で吐く息をゆっくりと長くし、心休まる景色や絵などをイメージしながら気楽な気持ちで行います。
1回10分程度行うのがおススメです。
・仰向けに寝る、イスにかけるなど、らくな姿勢をとる
・「とっても落ち着きた気分」と気持ちがゆったりするまで暗示を繰り返す
・手足の重感練習(右手→右足→左手→左足の順に暗示をかける)
・手足の温感練習(お湯に手をつけている所などをイメージする)
・「らくに呼吸している」とイメージする
・打消し動作(大きく伸びをし、屈伸などをして終わらせる)
まとめ
自律訓練法は自律神経失調症の治療だけではなく、健康な人にも効果が認められています。
道具を使わないので、身につくと、いつでも、どこでも短期間にリラックスすることができるので、ぜひ普段から取り入れる習慣を付けてみてくださいね。
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