EXIT・兼近大樹、100キロマラソンの密着番組で明かされた「人間力」と「後輩芸人への思いやり」
『24時間テレビ45』(日本テレビ系)で100キロマラソンに挑戦し、笑顔を絶やさずに走り抜いたEXIT・兼近大樹。8月29日、『完全密着!24時間テレビの裏側』(日本テレビ系)で完走までの道のりに密着したドキュメンタリー番組が放送された。
同番組では、マラソン中、兼近がずっと笑顔だった理由が探られた。彼はかつて、自分の家系がずっと貧乏であることから社会に恨みを持ち、他人のことも蔑ろにして生きてきたという。ただ、成長するにつれてそういった生き方への後悔が芽生えていったことが、どんなときも笑顔を向けるきっかけになったと語った。
マラソン中は、沿道から声援をおくる人たちに手を振りすぎて、腕を痛める様子も映された。いっぱいいっぱいの状態でも、彼はギャラリーの声に応えつづけた。その姿からは、彼が苦い過去と向き合い、自分自身を更新しつづけてきたことが伝わってきた。
兼近が「お笑いの宣伝のためにテレビへ出ている」と語った理由
兼近の「人間力」がたっぷり詰まったドキュメンタリーとなっており、感動できるポイントがたくさんあった。特に印象的だったのが「自分はテレビタレントではなくお笑い芸人。テレビに出るのはそのための宣伝」と語っていたところである。テレビなど多数のメディアに出演する理由は、あくまでお笑い芸人としての自分の活動を知ってもらうためであり、芸を見てもらいたいからだと明かした。
ただ、さらにその裏側には、兼近の後輩芸人たちに対する思いやりがあった。「自分の活動」とは、EXITとしてだけではなく、後輩芸人たちのステージのことも指していたのだ。
同番組には、兼近がプロデュースする芸人ユニット・泥水すすり隊も出演。兼近は、「芸事だけで食っていくぞ」とユニットメンバーがやっていたバイトを辞めさせたという。メンバーは実際のところ生活は大変だと言うが、その分、兼近が仕事を回してくれることで芸人としての活動が広がっていると感謝を口にした。
兼近は現在、あらゆるメディアに多数出演している。時には時事ニュースについて鋭くコメントし、絶賛されることもあれば、炎上気味になることもある。ただ兼近は、そうやってさまざまな手段を使って人の目を自分に向けさせようとしている。「チャラ男」という派手な芸風を貫いているのも、誰よりも目立てるからではないだろうか。
目立ったり、数字を稼いだりすることで、兼近を目当てに劇場へ足を運ぶ人が増える可能性も高くなる。劇場にたくさんの人が来れば、自然と後輩芸人たちのことを知ってもらえる機会にもつながる。他人のことを思いやり、誰かの役に立とうとするその人柄を知ると、後輩芸人が日の目を見るために、まず自分が注目される存在になろうと奮闘しているように思える。
マラソン休憩中、傘をさしにきたスタッフに丁寧に礼を言う姿
兼近と同居している芸人・もちを。は、「兼近は酒を飲まない」と語った。一方で、酒造りの現場へ行ってさまざまな苦労を目にしたとき、兼近はマイルールを破って酒を飲んだという。そのエピソードからも、兼近は人のがんばりに報いて生きようとしていることが分かる。
マラソンの休憩中も、雨が降ってきてすかさず傘をさしにきたスタッフに対し、「ありがとうございます、もう出発するんで大丈夫です」としっかりと頭を下げてお礼を言っていた。過酷なマラソン中とは思えない配慮である。ただ、後輩芸人らへの思いやりの深さなどを見ると、そういった丁寧な態度も納得できる。
『24時間テレビ45』、そして『完全密着!24時間テレビの裏側』を通して、兼近への印象が変わった人も多いのではないだろうか。