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シーズン84勝のDバックスがワールドシリーズに進出すると、史上最も白星の少ないチームになるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルルデス・グリエルJr.(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Oct23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 フィラデルフィア・フィリーズとアリゾナ・ダイヤモンドバックスのうち、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第7戦に勝ったチームは、ワールドシリーズでテキサス・レンジャーズと対戦する。

 レンジャーズは、レギュラーシーズンに90勝を挙げ、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズでは、こちらも90勝のヒューストン・アストロズを倒した。フィリーズも、レギュラーシーズンは同じく90勝だ。一方、ダイヤモンドバックスは、84勝しか挙げていない。

 これまでのレギュラーシーズン90勝未満&ワールドシリーズ進出――90勝未満&リーグ優勝――は、延べ23チームを数える。そのうちの8チームは、85勝未満だ。

 ただ、140試合以上で85勝未満は、1973年のニューヨーク・メッツ(161試合で82勝)と2006年のセントルイス・カーディナルス(161試合で83勝)の2チームしかない。ダイヤモンドバックスが今年のワールドシリーズに進んだ場合、140試合のレギュラーシーズンでは、史上3番目に白星が少ないリーグ優勝チーム、ということになる。

筆者作成
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 ちなみに、1973年のメッツと2006年のカーディナルスは、その年のポストシーズンに進出したチームのなかで、レギュラーシーズンの白星が最も少なかった。1973年の他3チームは94勝以上、2006年の他7チームは88勝以上を挙げていた。

 今年のダイヤモンドバックスも最少だが、マイアミ・マーリンズも同じく84勝だ。マーリンズは、ワイルドカード・シリーズでフィリーズにスウィープされた。ダイヤモンドバックスは、92勝のミルウォーキー・ブルワーズと100勝のロサンゼルス・ドジャースを倒してきた。

 1973年のメッツは、ワールドシリーズで94勝のオークランド・アスレティックスと対戦し、3勝2敗から2連敗を喫した。シリーズMVPには、第2戦と第6戦と第7戦に2打点ずつを挙げたA'sのレジー・ジャクソンが選ばれた。だが、ホームランは第7戦の1本だけ。ワールドシリーズで3打席続けてホームランを打ったのは、この4年後だ。

 2006年のカーディナルスは、95勝のデトロイト・タイガースを4勝1敗で下した。シリーズMVPは、カーディナルスのデビッド・エクスタインが受賞。チームメイトの田口壮は、11打数2安打ながら、送りバントを2度成功させ、どちらも得点につながった。2本のヒットは、トッド・ジョーンズジャスティン・バーランダー(現アストロズ)から打った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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