アップルが米国に46兆円投じ拠点拡大、FBとスポティファイはアップル対抗で連携
筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで
[1]アップル、米国に46兆円投じ拠点拡大 南部に新社屋も
米アップルは4月26日、米国の拠点拡大などのために今後5年間で4300億ドル(約46兆6000億円)以上を投資すると明らかにした。2018年に5年間の投資金額を3500億ドルとする計画を示していたが、目標金額を約2割引き上げた。
南部ノースカロライナ州に10億ドルを投じて新たな社屋を建設し、AI(人工知能)や機械学習などの技術拠点とするほか、本社を置くカリフォルニア州などでも拠点を拡張し人員を増やす。協力企業の生産・物流施設の拡張にも費用を投じる。
同社は現在、テキサス州オースティンで新社屋を建設中で、22年に完成する予定だという。米国で2万人の新規雇用を創出するとしている。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、18年時点で8万4000人だったアップルの米国従業員数は9万5000人になった。新たな計画では26年までに11万5000人に増える見通し。
[2]テスラの1〜3月期決算、74%増収、純利益27倍で過去最高を更新
米電気自動車(EV)大手のテスラは4月26日、2021年1〜3月期の決算を発表した。売上高は前年同期比74%増の103億8900万ドル(約1兆1300億円)。純利益は同27倍の4億3800万ドル(約475億円)で、四半期ベースで過去最高を更新。7四半期連続で黒字を達成した。他の自動車メーカーへの温暖化ガス排出枠(クレジット)の売却収入が同46%増の5億1800万ドルとなり、業績を下支えした。
EV販売台数は同約2.1倍の18万4877台で、四半期として過去最高を更新した。「モデル3」「モデルY」の合計が同2.4倍の18万2847台、「モデルS」「モデルX」の合計が同83%減の2030台だった。
世界的な半導体不足について「迅速に新たなマイクロコントローラーに切り替えるなどして問題を切り抜けた」と説明した。
テスラはモデルSとモデルXの新型車を市場投入する計画。米CNBCや米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、モデルSの新型車は21年5月に、モデルXの新型車は同7〜9月期に納車できるとの見通しを示した。
現在、米テキサス州オースティンとドイツのベルリン郊外でEV工場を建設中で、21年に2工場の操業が始まるとしている。
また、今後の販売台数見通しは「数年間、平均50%の伸びで推移し、21年は50%を上回る見通し」とし、前回1月の予想を据え置いた。
[3]フェイスブックとスポティファイ、音楽とポッドキャスト共有で連携
米フェイスブック(FB)とスウェーデンの音楽配信大手スポティファイ・テクノロジーがコンテンツの共有で連携した。ロイターなどが4月26日に報じた。
フェイスブックのiOSとAndroidのアプリ内で、友人などが共有したスポティファイの楽曲やポッドキャスト(音声番組)を直接聴けるようになった。米国やカナダ、日本などの27カ国で先行提供し、数カ月かけて対象国を増やす。
米アップルは先ごろ、「アップルポッドキャスト」でサブスクリプション(定額課金)を開始すると発表しており、スポティファイとの競争が激しくなってきたと報じている。
スポティファイはアップルがアプリ運営企業から徴収している手数料が高すぎると、非難している。一方、フェイスブックはアップルが「iOS 14.5」に導入した広告制限が反競争的行為だと述べているという。