世界で最も「退屈な天気」の場所はどこか
20世紀でもっとも「退屈な日」
今から63年前の昨日、1954年4月11日は「最も退屈な一日」だったようです。
情報学者ウィリアム・タンストール=ピドーが、人・場所・出来事などについての膨大なデータを分析した結果、この日は20世紀で最も何も起こらなかったのだといいます。
その一つの根拠として、どの日も複数の著名人が生まれているのにも関わらず、1954年4月11日に生まれたのは、とあるトルコの科学者だけだったそうです。
古今東西面白い研究がありますが、この調査もなかなか愉快ですね。
天気で何もなかった日
ところで、天気にも何もなかった日があるのでしょうか。私は仕事上毎日世界の天気を見ていますが、広い地球といえども、確かに比較的何もない穏やかな日というものがあります。
一方、同じ地点に絞って天候をみると、一年中ほとんど変化のない場所というものもあります。例えばこのようなところです。
ずっと晴れ
晴天は多くの人々に好まれる天気ですが、毎日続くとやはり変化が恋しいもの。世界で最も晴れが続く場所は、チリ北部のアタカマ砂漠です。なんとアタカマにある気象観測所では4年間も雨が降りませんでした。
高圧帯に位置していること、また沖を流れる寒流が空気を冷やして上昇気流を抑えるために、世界で最も雨が少ないというわけです。
ずっと雨
一方で、雨が毎日降るのも退屈です。世界で最も雨の日が多い場所は、ハワイ・カウアイ島のワイアレアレ山でしょう。年間350日間も雨が降った場所として、ギネスブックにも登録されています。
それは、海からの湿った北東風が年中、山にぶつかり雨を降らせるためです。「ワイアレアレ」はハワイ語で「あふれる水」を意味します。
ずっと同じ気温
最後に、気温がいつも同じなのも退屈な天気といえましょう。年間通して気温の変化が少ないのは、エクアドルのキトでしょう。
「赤道」を意味する国名そのままに、赤道直下に位置するために、年中同じような気温で、最寒月と最暖月の月平均気温の差はたったの1.5度なのです。
こうした変化のない天気は確かに「退屈」ではありますが、災害リスクが少ないという点からはよいことかもしれません。
余談ですが、4月11日が「最も何もなかった日」と冠がついた今、いまや二番目に何もなかった日が、最も退屈な日と言えるかもしれませんね。