シベリア寒気が弱く、暖かい11月に
11月は記録的に暖かくなる可能性も。シベリアの寒気が弱く、日本列島は暖かい空気に覆われやすいという。2015年の大規模エルニーニョ現象と共通点も。
寒さの底は日の出にあり
2日(金)の東京は10.1度まで気温が下がり、この秋一番の冷え込みになりました。例年、東京の気温が10度を下回るのは11月4日頃、今年もその時期が来たようです。
気温もさることながら、最低気温を記録した時刻に注目してみると、午前6時41分です。真夏(8月)は午前5時頃が最も気温が下がる時間でしたから、ずいぶんと遅くなりました。こんなことにも、季節の進みを感じます。
天気予報では放射冷却が強まるといいますが、晴れて風の弱い朝ほど、日の出の頃に最も気温が低くなります。太陽が顔を出すと、気温が上昇に転じるのです。
日の出が早い夏は出勤時、すでに暑く、薄暗い冬は出かける頃が最も寒い。ちょうどいい具合にならないものです。
平年より寒くなる確率20%以下
11月7日(水)は立冬です。このまま寒くなるのでしょうか?
こちらは11月3日から30日までの気温の予想をみたものです。各地のモデル予測値(左列)は平年を1度から2度くらい上回り(中央)、全国的にかなり暖かい11月となる予想です。さらに、この期間の気温が平年を下回る確率(右列)をみると、ほとんどが20%以下です。東京は5%しかありません。
どうして、こんなに暖かいのでしょう?
11月になると、大陸の高気圧が徐々に勢力を強め、日本列島に冷たい空気が流れ込みます。天気図の左上に優勢な高気圧があったら、寒くなる兆しです。数日後には木枯らしが吹くでしょう。
でも、今年の11月はちょっと様子が違います。日本付近は暖かい空気に覆われ(暖色)、シベリアの寒気(寒色)は例年よりも弱い予想です。
昨年(2017年)11月は全国的に寒く、東京は10月末に木枯らし1号が吹きました。2016年も北日本では記録的な低温でした。予想通りに気温の高い11月となれば、2015年以来です。
2015年といえば、大規模なエルニーニョ現象があった年です。12月になっても雪が降らず、スキー場では雨乞いならぬ雪乞いをしたと話題になりました。今年もエルニーニョ現象の発生がありそうで、冬の行方が気になる日々です。
【参考資料】
気象庁ホームページ:気象情報を活用して気候の影響を軽減してみませんか? 各種予測資料(異常天候早期警戒情報・1か月予報)