フランスで雹の被害 ワインの生産に打撃か
フランスは、先週から春の嵐に見舞われています。28日(土)には北部の町で落雷により、屋外の誕生日会に参加していた11人が負傷。また中部のヨンヌ川では洪水が発生、3歳児が死亡。さらにパリで開かれているテニスのフレンチオープンも、30日(月)大雨のため、16年ぶりに全試合がキャンセルとなりました。
さらに嵐の影響は、ワイン業界等にも及んでいます。
コニャックもブルゴーニュワインも生産減の見通し
外伝によると、ブランデーの生産地・コニャックでは、週末からの大雨やウズラ大の雹(ひょう)が原因で、全ぶどう農園の8%が被害を受けたといいます。
その他、ボジョレーヌーボーで有名なボジョレーや、シャブリといった、ブルゴーニュ地域全般も、大きな打撃を受けています。特にシャブリは、今回の雹のみならず、4月には記録的な霜害、今月13日にも雹害が出ており、甚大な被害が出ているようです。
今の時期は、花が咲き、受粉が終わり、ぶどうの実が大きくなる時期です。この時に雹が降ると、実が落ち、ぶどうの収穫量が減るのです。2016年のぶどうの収穫は、今の段階では減少する見通しとなっています。
ただ、収穫減とワインの美味しさは別問題で、これからの天気次第によっては、逆に美味しいワインができる可能性もあります。
「世紀のビンテージ」の可能性も
例えば、ボルドーワインを例に挙げると、1961年5月末に遅霜が発生し、多数のぶどうの芽が枯れて、収穫量が一気に減りました。しかし、実が減った分、残ったぶどうに糖分が凝縮され、さらに夏は好天が続いたことから、この年のワインは戦後最大のグレートビンテージの一つとなりました。
専門家は、2016年のワインも、今後の条件さえ揃えば「世紀のビンテージ」となる可能性があると考えているようです。