10年ぶりの”韓日戦” 韓国側の報道は? 「KFAはソン・フンミン、ファン・ウィジョらに招集レター」
サッカーA代表による日韓戦の開催が決定した。3月25日に横浜・日産スタジアムで行われる。
決定は、10日午後から韓国でも当然のごとく多く報じられた。「スポーツ東亜」や大手経済紙「毎日経済」など有力媒体の多くがこう見出しを打った。
「10年ぶりの韓日戦」
当時は香川真司の2得点と本田圭佑のゴールで圧勝した。韓国では「札幌大惨事」とも呼ばれている。
今回の日韓戦開催については、3月4日頃から韓国で第一報を報じられた。「日本側からオファー」「パウロ・ベント監督の意向もあり、韓国側も応える意思」とされてきた。
ただし課題は2点あるとも言われていた。「日本入国時、韓国帰国時の2週間の自主隔離の免除」そして「Kリーグクラブ側の招集への協力」。
これらの問題が解決したゆえの開催決定だったのだろう。大韓サッカー協会(KFA)のチョン・ハンジン事務総長がこうコメントしている。
「6月に行われる2022カタールW杯アジア2時予選4試合と、今年の下半期から始まるW杯最終予選を控え、代表チームの競技力チェックが必要な時期だ。新型コロナにより難しい点はあるが、今後のW杯予選などを考慮したとき、国際Aマッチウィークを積極的に活用することに決めた」
一方、「スポーツソウル」は試合開催の意義をこう報じている。
■日本側のメリット(あくまで同媒体はこう見ているということ)
東京五輪を前に国際競技を開催できるという点を証明すること
■韓国側のメリット
6月のW杯予選前の最後の国際Aマッチ
一定水準の相手と戦える
マッチフィーが得られる
開催に一気に傾いた背景には「双方の国の入国時の自主隔離免除の扱い」が決定した点が大きいと見られる。
韓国メディア側は「日本入国時の隔離」を気にかけていたが、「夕刊フジ」の報道によると、日本サッカー協会(JFA)側は、KFAに対し「日本入国時の隔離は必要ない」と説明していた。
これにより、韓国代表での”多数派”、Kリーガーの招集に関する障壁がなくなった。日韓戦開催決定前、韓国メディアの多くは昨年、FIFAがコロナ禍で定めた新ルールの項目を報じていた。
「5日以上の隔離が必要な国で試合が行われる場合、クラブは所属選手の招集を拒否できる」
つまり今回はKリーグクラブ側に拒否権があったのだが、この心配がなくなったのだ。
ただし、韓国側でも帰国時に同じく入国時(帰国時)に14日間の隔離期間がある。これはKFA側が韓国政府と協議、以下の内容が公式サイトを通じて発表となった。
「Kリーガーは帰国後、最初の7日間は(ソウル郊外の)ナショナルフットボールセンターで隔離を行い、残りの7日間は所属チームに合流して試合出場が可能となるように政府と合意を終えた。これにより、Kリーグクラブにも協力を要請していく」
この点では、韓国代表のW杯2次予選のグループHの日程が3月30日(日本はこの日モンゴルと対戦)には行われず、「6月に集中開催」となった点もプラスに働いた。韓国側は「次戦」を気にかけずに済んだのだ。
いっぽう気になるのは、欧州組の招集。韓国メディアもずばり「ソン・フンミンは来るのか?」という点を報じている。
KFA側は、「欧州クラブ所属選手にも招集レターを出した」としている。また「毎日経済」はKFA側への取材結果として「ソン・フンミン、ファン・ウィジョ、ファン・ヒチャンの所属クラブにはレター送信済み」としている。
ただし「フットボーリスト」は「KFA側は該当クラブ側が招集に協力的ではない姿勢に出てくる覚悟は決めている」とも。事態に備え、国内外の30人前後に招集レターを送付済みだという。
(了)