日経トレンディベスト30選出のポイントは複数コンセプト
文化の日の祝日という事で満員ではない電車でストレス無く朝イチで揺られ品川駅前にある東京コンファレンスセンター。
ウィズコロナで対人の発表会が当たり前になる中、日経トレンディの「2022年ヒット商品ベスト30」「2023年ヒット予測30」へ。
流通関係者にとっては、旬の芸能人を見る事が出来るという楽しみなイベントでもあったりする。
俳優の間宮祥太朗さん清野菜名さん高橋文哉さんのお三方はヒット商品を時折壇上に持ってくる係の人に毎回親切に感じよく対応されていて凄く好感度もアップ。売れるって事は気配りも欠かせないんだなと思ったり。
あっそんなコメントはどうでも良く僕のYahoo!オーサーの役割は流通で・・・笑
流通とは日本において最もせっかちな業界で、百貨店の8月末のおせちの発表、10月末の福袋と、「世間の季節は無視し時の流れを煽りますよね」と業界以外の人からよく言われる程です。今年を締めくくるベスト30なのに年末まであと2ヶ月あるこの時期にちょいと早くないかと。まさに流通のせっかちさを象徴するようなイベントだ。
会場に着いて発表会前にブースを周り始めると、「渡辺さん 渡辺さん」と何人から声をかけられる。新入社員から業界に携わり22年、それはもう古株ですよね。そして何よりベスト30の中に複数の知り合いが絡んでいるのはほんと自分ごとのように嬉しくなってしまう。
商品開発者の視点で今回の発表会を見て思ったのは、今の商品開発は単一コンセプトでは無く複数コンセプトの掛け算による商品がヒットに繋がってるんだなという事。
睡眠コンセプト商品に人気が集まっていたが、その商品の裏側には、健康がベースにあり時間対効果ようはタイパ(タイムパフォーマンス)を意識しているものといずれもなっていた。
ストレス緩和や腸内環境改善する"Yakult1000""Y1000"が1位なのはもちろん。
寝る前に飲んで疲れを改善する"アリナミンナイトリカバー"。
耳を温めて安眠を促す"ナイトミン耳ほぐタイム"。
睡眠中に髪の乾燥摩擦を抑える"YOLU"の寝ながらヘアケア“。
と睡眠×健康×タイパの3つのコンセプトが揃った商品がランクインしている。
人生の3分の1強を占める睡眠。枕やマットレスパッドから始まった睡眠を豊かにするマーケットは、全国民がターゲットになるためさまざまなアプローチが今後も続きしばらくは注目のカテゴリーとなりそうだ。
それ以外にも、行動制限が無くなりコロナで激減した外出機会が戻る中で、値上げも重なり
SDGs×節約×外出のコンセプトの商品もヒット。24度から28度以下になると凍り首輪となるアイスリングの"PCM冷却ネットリング"、脱プラスチックと節約でマイボトルが浸透し、夏により涼める飲み物としての"炭酸飲料対応ボトル"と節電が課題となる来年以降も日本国内において、節約出来て節電にも繋がる商品は生活の中に溶け込んでいきそうだ。
一方消費の多様化の中で、家電を中心に全ての機能を詰め込見過ぎた商品では無く、単一機能に特化した商品も顧客に支持されているのも興味深かった。
自宅需要が一挙に伸びた冷凍食品市場に合わせた小型の"セカンド冷凍庫"。これは食品ロス削減の観点からも伸び続けるであろう冷凍食品と比例して、狭い住居に住む都心生活者以外での使用率が今後も上がっていきそうだ。
また地上波やBSなどテレビ番組が見る事が出来ないドンキホーテの"チューナレステレビ"は、テレビで取り上げられる事は無いものの、若者中心にテレビを見ない人が増えている中、ネットの動画を映すだけのテレビとは凄い時代が来たやあと昭和世代の僕には衝撃的だった。
日本の家電は高品質として世界で認められている一方、高スペックではあるが使わない機能が搭載されているため価格が高い事が弱点となり、世界では平成に入り中国や韓国メーカーにシェアを取られてきたが、今回のシンプル高品質家電は今後世界で勝負出来る商品が生まれてくる予感と期待をしていたりする。
2023年のヒット予測30については機会があればまた改めて自分自身の見立てを含めて徐々に書けたらなあと。そ日経トレンディ昨年の予測が当たってるのかなと少し意地悪ですが見てみたいと思います。
12月初めに発信される日経MJのヒット商品番付と同じ日経なのになんで統一されないんだとの話も業界関係者で囁かれつつも、僕自身も会社の縦割りを理解しつつも、切磋琢磨して時間差で発表される日経の2つの発表を楽しみにしている自分がいたりします。