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そごう横浜 元旦に1万人の行列。エディオン・イオンも元旦営業 普段と同じ買い物が出来る横浜駅が賑わう

渡辺広明コンビニジャーナリスト/流通アナリスト
ダイエーの旗艦店跡地、横浜駅西口のエディオンやイオンフードスタイルの入居するビル

横浜駅に隣接するそごう横浜店は昨年に引き続きの元旦営業。オープン前から長蛇の列となり、10時にオープンを前にして9時27分から段階的に店舗への入店を早め、その数は1万人に達するほどの人気で幸先の良い初売りとなった。

そごう横浜店開店前に並ぶお客さま 筆者撮影
そごう横浜店開店前に並ぶお客さま 筆者撮影

事前入店は各テナントに行列を分散させる措置となり、特にデパ地下の銘店には福袋などを求める人気に比例した各店舗ごとの行列が出来ていた。

8階催事場では抽選福袋の受付が行われておりマッカーサースイートルームに泊まれて食事も出来る"ホテルニューグランド「特別宿泊プラン福袋」"2組限定で販売されており20万円を当たらない事を祈りつつ応募したが、コト消費の福袋も当たり前になってきている。

今年は東京の百貨店は全て元旦休業のため、首都圏の非日常の正月の買い物はそごう横浜店というブランディングが浸透しつつあり、今年はその認知の土台となる段階に入っている。

そごう横浜店の元旦営業の逆張り戦略は確実に顧客の支持を受け、百貨店の元旦営業の残存メリットを一人勝ちで享受していきそうだ。

そごう横浜店を中心に横浜駅は元旦の買い物の街として定着していきそうだ。ドン・キホーテ横浜西口店が年中無休24時間営業が当たり前の営業。エディオンの旗艦店横浜西口本店、年末からTVCMで元旦営業告知のイオングループのイオンフードスタイル横浜西口店、若者向けのショッピングモール横浜ビブレと。横浜高島屋のように1月2日まで閉まっている小売店もあるが平日とほぼ遜色なく買い物出来るエリアとなっている。箱根駅伝のある1月2日・3日も沿道の応援もあり、横浜駅周辺は、三が日では首都圏エリアでも勝ち組小売スポットとなりそうだ。

ドン・キホーテ横浜西口の店頭では、鳥居を見立てた正月らしい福袋売り場を作り、美容からブランドバッグ・家電まで並べて、道路からなんとなく目についたので買ってしまう。ドン・キホーテならではの宝探し的衝動買いも実際目にした。売上の取り溢しをさせない見事な店頭となっていた。

ドン・キホーテ横浜西口 店頭福袋売り場の衝動買い 筆者撮影
ドン・キホーテ横浜西口 店頭福袋売り場の衝動買い 筆者撮影

エディオン横浜西口本店でも、オープン前福袋目当ての400人強のお客さまが並び、開店と同時に自らが求める商品のある売り場にダッシュする姿も見られた。

また、家電量販店首都圏最大級のゲーム・おもちゃ売り場を誇っているのが、エディオン横浜西口本店の特徴であり、住田店長に元旦の午前中に話を聞いてみると、「昨年も元旦の午後、そして2日・3日とお年玉を使う子供が家族と一緒の来店が増え笑顔で買い物していく光景が増えて行き、今年の商戦もこれからで楽しみ」との事。筆者も小さい頃そうだったが、元旦にお年玉を貰うも空いてる大きなおもちゃ屋がほぼ無く、本当はそれほど欲しくないおもちゃを妥協して買ってしまい後悔するという事を繰り返していた。その点1000坪以上の売り場を持つエディオン横浜西口本店では、基本買いたい商品が実際に品揃えされているため、今後は首都圏の子供たちのお年玉を使う聖地となっていきそうだ。

大人でもワクワクするエディオンの横浜の街並みを再現したプラレールコーナー。筆者撮影
大人でもワクワクするエディオンの横浜の街並みを再現したプラレールコーナー。筆者撮影

エディオンの1階にあるイオンフードスタイル西口店は、日常の新鮮を求めて買い物客が平日と同程度に見られた。インバウンド客の家族連れも店内に数組いて、日本の日常のスーパーで買い物する外国人が増えており、観光客が宿泊や訪問するエリアのスーパーでの、日本の日常の買い物と同じ経験を望むインバウンド客は増えていきそうだ。

店前から見えるイオンフードスタイルの新鮮な生鮮売り場 筆者撮影
店前から見えるイオンフードスタイルの新鮮な生鮮売り場 筆者撮影

一方、小売業が元旦を休業にするのは人手不足に起因している。人口減・生産年齢人口が激減する日本では益々人手不足は加速しそうだ。

個人的には生活インフラとして機能しているコンビニ以外は、国として小売は元旦全て休業という規制があったほうが良いのかなとも思ったりもする。元旦1日だけでなのでコンビニも休業もありかなとも思う。

但し今の日本において規制に現実味が無いとすれば企業全体で営業・休業を決めるのでは無く、顧客のニーズのある店舗、いわゆる売上・利益を取れる店舗のみ営業するのが最適解な気がする。百貨店やショッピングモールなどテナントと協業している小売業は年末年始においてはテナント側に休む休まないの営業権選択肢を持たせる事も必須で、また社員やアルバイトに対しては、年末年始手当などで報いる事も大事になってくる。

年末年始は医療関連、公共交通機関、コンビニなどエッセンシャルワーカーの方々いてからこそ世間が平穏に普通に動いている事を認識する。これから人口減で小売店の数が減るなど不便になっていく可能性が高い日本。"日常の普通が何よりも大切"という事を年始には毎年噛み締めながら買い物しているし、是非認識して欲しいなとも思う。

コンビニジャーナリスト/流通アナリスト

渡辺広明 1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング 代表取締役として、顧問、商品開発コンサルとして多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。全国で講演 新著「ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた」「コンビニを見たら日本経済が分かる」等も実施中。

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