日本流コンビニ50周年!!便利の当たり前は実は世界で唯一無二、そして未来は?
正月三が日は、自宅で箱根駅伝などを見てゆっくり過ごされたという方も多かったのでは無いだろうか?かくいう私も近所のお寺に初詣に行ったり、銭湯のサウナに行ったりと、自宅の半径500メートル以内で過ごす年初めとなった。そんな中、当然コンビニにも。切らしてしまったたまご10個入り買うなど1日2回は買い物に行った。
国土交通省の調査によると、高齢者が休憩せずに歩ける歩行距離は500〜700メートルという事で、私も56歳となり10年後には後期高齢者になっているため、基本的な日常はまさに今年の正月三が日のような生活スタイルになってくのではと想像してしまった。そこで絶対に欠かせなくなるのが今年50周年を迎えるコンビニエンスストアだ。多分日常の食を支える店舗になるのだろう。
日本人にとっては、空気や水のように当たり前となっているコンビニだが、世界的に見ると有り得ないほど便利な世界最高峰のリアル小売業だ。
特に、サンドウィッチやスイーツなど美味しい鮮度の高い中食や挽きたてのコーヒーを全国どこに行ってもほぼ24時間買える国は、世界広しといえども日本以外には無いだろう。
かつ、ATMや収納代行など銀行のプチ窓口の機能もあり、宅配便など荷物の発送や一部店舗では受け取りも出来る。かゆいところに手が届くサービスの数々は、外国人からみたら驚きの店舗となっている。アメリカから50年前に輸入されたコンビニが、日本の国民のニーズに合わせてガラパゴス的に進化した。
そんな50年を迎えるコンビニも、人口減と超高齢化により、課題先進国の日本の変化に対応してく2024年となりそうだ。
環境問題に対応したレジ袋の有料化、キャッシュレス決済の浸透に続き、今年はセルフレジがコンビニの売上の約3分の1を占める酒・タバコの年齢認証の実験も始まっており、一挙にセルフレジ化が進んでいく可能性が高い。接客はコンビニの業務の中でも大きな割合を占めるため、セルフレジ化が進めば、店舗でのワンオペ(1人勤務)や顧客があまり来ない深夜の無人営業も店舗の客数にもよるが現実味を帯びてくる。ローソンでは、大塚でグリーンローソンという未来コンビニの実験を1年前からしているが、店内は基本セルフレジのみの展開で店内にいる店員に声かけしてお願いしない限りは、セルフレジ対応となるため、98%以上はセルフレジでの店舗運営となっている。
また、この店舗ではアバターによる遠隔の接客実験をしており、セルフレジの利用が分からない高齢者の方などには、アバターが使い方をレクチャーをするなどのサポートも行っている。
またアバター接客は物理的には世界どこからでも接客が可能なため、インバウンドの欧米の方への接客はアメリカから英語の出来る方が遠隔て接客、中国語対応は上海から接客というような事も可能になる。法整備が進めば、遠隔で薬剤師が対応してコンビニでクスリを販売するというような事も可能になりそうだ。
働く側からしても勤務場所を選ばず、自宅から出ないで仕事をしたい方、障害を持たれた方など仕事の幅を広げる事も可能となる。
セルフレジの利用促進は、別の業務が出来る時間を生み出すため、グリーンローソンでは店内調理の手作り弁当や惣菜・ファストフードの展開が充実もしている。
一方、コンビニは消費の多様化により、一律の品揃えでは消費者ニーズ応えられなくなっている。そんな中、高齢者人口が多くスーパーの数が比較的少ない世田谷区や杉並区のコンビニでは、店別仕入れで、野菜や果物などを展開して+アルファの売上を上げるケースなども増えている。
ファリーマートでは、親会社伊藤忠の祖業のアパレルでコンビニエンスウエアというブランドに力を入れており、展開3年で靴下は1日1店舗で1足以上売れるまで成長させた。
1万6000店舗を超える店舗数で、緊急購買ニーズがある靴下やハンカチは、ユニクロや無印と比べても品質的には同等でその分野を入り口として、さらにアパレル部門を成長させるべく
麻布台ヒルズのアパレルフロアに近い店舗で、デニムのジャケットやパンツ、カーディガンやフライトジャケットなど、アパレルのニーズの見込める店舗への展開を見据えた限定販売も始めている。
日本の顧客に寄り添い全国一律で日本を代表する小売業になったコンビニは、個店別に多様化する顧客ニーズに合わせた店舗になるべく、次の100年に向けた新たなステージにバージョンアップしていく進化が楽しみだ。